遺伝子工学の”民主化”をうたい文句に、ご家庭で遺伝子がいじれますというキットの報道。
- 話題になっているのはCRISPR/Cas9。an Indiegogo campaign,からリリース。"DIY CRISPR Kits, Learn Modern Science By Doing" キャンペーン
- 130ドル寄付すれば、細菌のゲノムをいじるのに必要な詳細("everything you need to make precision genome edits in bacteria": a laboratory )を、160ドル寄付すればイーストを使って遺伝子をいじれ、5000ドル寄付で開発者がやってきて実際にやって見せてくれる。
- 来年には市販され、誰でもこのキットを買うことが出来るようになる。科学を民主化してみんながアクセスできるように(democratized so everyone has access)
- ここで使われる技術はアルツハイマーやHIVを予防しデングやマラリアの蔓延を防ぐのに使える技術(の応用)であるが、同時に、不可逆的な遺伝子変化を起こすこともできる。
問題はこのキット開発に要する資金がクラウドファンディングで募られ、かなり順調に資金が集まっていることです。そして寄付の見返りに(さらに市販も予定され)、ご家庭で遺伝子をいじることが「民主化」されること。結果、ある種の「意志」をもった人間が病原体遺伝子をいじったり、ある動植物を絶滅させたりという可能性までもこの記事の著者は懸念しているわけです。
たしかに、ダイナマイトだってプラスチック爆弾だってカラシニコフ銃だって、もともとはプロの工事業者や軍隊など「プロ」が使うものとしてこの世に生まれたのであり、意図せぬ形で「民主化」した結果、劇場やカフェや福祉施設で乱射ということになっています。
10年後、そういえばあの時・・・ということになっていなければよいがと懸念されるニュースです。
https://www.reddit.com/r/DarkFuturology/comments/3w098w/what_happens_if_someone_uses_this_diy_gene/
What Happens If Someone Uses This DIY Gene Hacking Kit to Make Mutant Bacteria?
December 7, 2015 // 05:09 PM EST