髄膜炎ベルト。アフリカのサブサハラを、西から東へ延びるベルト状に細菌性髄膜炎流行国が連なり、WHOを、メッカ巡礼当局を、世界中の公衆衛生当局をしばしば緊張させてきました。いままた、緊張感が高まっています。
今回の主役は、新種のC型。C型が流行しているのにC型を含むワクチンが絶対的に足りない!という話。
- 髄膜炎ベルトで新種a new hyper-invasive strain of meningococcal meningitis serogroup C (Nm C)が流行しはじめている一方で、ワクチン不足に直面。したがって大規模流行の可能性が極めて高くなっている。
- 今後2年間で7万例発生の数字も。
- 2018年のストックは250万ドースしかない(The 2018 emergency international stockpile has just 2.5 million doses )。一方で、少なくとも 1000万ドースが2018-19年に必要で、WHOはワクチン製造関係者に呼びかけている。
う~ん、新種の流行に対してワクチンが75%も不足している。打てるのは必要な人の4人にひとり。。。
髄膜炎ベルトはしばしば厄介です。管理人がセネガル在勤中(セネガルは髄膜炎ベルトの西端)にも、ブルキナファソを中心に猛烈な大流行があり、あの時はW135だったと記憶していますが、管理人もハラハラしたものです。そして髄膜炎ベルトにはイスラム教の国々も多く、メッカ巡礼のマスギャザリングともしばしばぶつかります。サウジアラビア当局が、ワクチン接種証明書が出せない人間にはビザを出さない!という措置をとるので破滅的なことは起こらないで済んできていますが、今回はワクチンのシビアな不足と結びついているので、そのような措置がとれるのか(とってもらわねば困るのですが、とってくれると期待するのですが)、そこのところも今後の注目点です。
Meningitis in Africa: ‘The risk of imminent large-scale epidemics is dangerously high’