新年あけましておめでとうございます。
あっという間に時が流れた旧年中はなにかとお世話になり、ありがとうございました。
コロナに明けコロナに暮れた今年でしたが、オンライン・リモートでの講義・出演・会議・面接などコロナが無ければありえなかったスキルも定着した一年でした。
さて、新年2022年はどのような年になるでしょうか。
渡航医学的には、コロナ一極から全方位広角の年になるかと予想しております。
2019年から足掛け4年目となる新型コロナは、人類がこれを「飼いならす」年となることを期待しております。オミクロンに次いでパイ株やシグマ株などが出てくるであろう中でも、次第に人智の優位も見えてきてコロナ「禍」は落ち着きを見せてくるでしょう。
一方で、マスクから解放されるであろう口や鼻からは、ここ数年抑制されてきたインフルエンザなど、思わぬ伏兵が大規模に侵入しそうでもあり目が離せません。コロナの陰に隠れあまり報じられなかったけれど実は頻発した鳥インフルエンザの動向も気になるところであります。
さらに国際往来が回復し空港や観光地に多言語の喧噪が戻るとなると、これもコロナで一休みだった蚊に媒介される疾患、デングやチクングニヤやジカといった面々も日本列島を目指してくるのかもしれません(コロナ禍の前年2018年には京都奈良を巡った海外渡航歴のない修学旅行生のデング熱罹患という出来事もありました)。蚊対策から人々の目をそらす、というコロナの置き土産がどう出るか・・・ これもコロナ前に関空や野外コンサートなどで騒動を起こしていた輸入麻疹(はしか)、コロナで世間公知の概念となった基本再生産数はコロナの倍以上という現実も想起させられる出来事も想定されるかと思います。
渡航医学の現場からは、ビジネス往来の回復からは、企業社会への情報発信やサポートといった本来業務も復活しそうです。
こうして、新年はより広い視野で全方位に目を配る必要のある年になると想定しております。
みなさまにおかれても、さまざまな意味で広角的な視野が求められる年になるかと思いますが、ご活躍とご健勝を願っております。
新年もよろしくお願いいたします。
2021年1月吉日
*画像はミャンマー ヤンゴンで見かけた「寅のようなもの」