越後の大工刃物販売日記

大工刃物産地の新潟から日々感じた一言。
最近は食べ物ブログに変更しつつある?

碓氷健吾氏の本 「夫婦鉋」ができるまで ~その5

2016-05-06 14:06:34 | 
このころにはお盆休みを利用して原稿の最後の校正をしてほぼできてきました。

2009/08/15 碓氷健吾・明恵 著 「夫婦鉋」



碓氷健吾・明恵夫妻による「夫婦鉋」の本もいよいよ大詰めです。

サブタイトルが「伝統的匠の技と科学の融合」とあるように、単なる鍛冶屋さんの本ではなく、
科学的な根拠に基づく学術的な論文もあります。

第一部が「鉄と鋼」、第二部が「私たち夫婦鉋鍛冶人生」と二部構成で、
第一部は学術論文的な部分と「削ろう会」会報で掲載した「名工と訪ねて」などの再掲、
第二部は小川三夫棟梁の本なども書かれている塩野米松氏による聞き書きです。
ここでは碓氷さんの半生が書かれています。


最初碓氷さんが本を出されることになった時、塩野米松氏の聞き書きによる本ということ
だったようですが、せっかくならということで碓氷さんが永年研究してきた論文も
追加したいと思われたようです。

そこで第一部が「私たち夫婦鉋鍛冶人生」で追加の第二部が「鉄と鋼」にと
言われたところ出版社の社長さんが自分の本なので内容的にはどちらがメインかと問われて
逆になりました。

律義な碓氷さんは塩野氏に気をつかっていられましたが、相談したら快諾されたので
変更することにされました。

表紙カバーの見本ができてきたので、急に本らしくなってきました。

グラビアのカラー写真もイイ感じになりました。(私が撮影した写真もあり。)

タイトルの「夫婦鉋」の文字は碓氷さんの直筆のものを使ってくれたので、
碓氷さんもちょっとうれしいようです。

昨日今日のお盆休みを利用して校正のお手伝いをしていますが、
今日でほぼ校了でお盆後に出版社にお渡しして、9月20日前には完成の予定です。


本にカバーをつけるかつけないかということも検討したことを思い出しました。

つけることにしたのですが、大正解でとてもかっこいいものになりました。

まさか碓氷さんの直筆の「夫婦鉋」の字が使われるとは思ってなかったので
その出来栄えにびっくりしました。

【 つづく 】

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碓氷健吾氏の本 「夫婦鉋」ができるまで ~その4

2016-05-05 15:34:19 | 
一応先のスケジュールが見えてきたのであとは順次それに従って進めていきます。

日記によると6月の下旬ころに小川三夫氏、杉村幸次郎氏、上條勝氏の3人にあとがきを
依頼してました。

今はパソコンがあるのでメールで送っていただけるのでラクですね。

7月の中旬には先に書いた塩野米松氏の「聞き書き」の原稿を預かって校正するために
読ませていただきました。

たぶん碓氷さんにいろいろと質問してその会話を録音したものから原稿に起こされたと思うのですが
今でも覚えているのがその中に出てきた「ヤスラマ」という言葉。

一読した時にはその意味がわからず何度も読んでいるうちにひらめきました。

「安永だ!」

昔碓氷さんが住んでいた与板の地名ですが、これはいくら塩野さんでもわからないでしょう。

碓氷さんもたぶん早口で少しなまって(笑)話しているので悩まれたことと思います。

本来なら碓氷さんがこの原稿をお自分で校正されるのでしょうが、その役を代わりにさせていただきました。

最初は文章と昔撮った写真で作るということでしたが、
今まで作った歴代の鉋のカラー写真と鋼と製作時期がわかる一覧表があるといいですねと提案したら、
「鉋は準備してあるので橘さん撮ってくれないか。」

「ええ~っ!」

今なら少しは写真をかじっていますが、当時はコンパクトデジカメだったので最初は辞退しました。

その後、誰か適任者がいましたとお聞きしても進展がないので結局また大役をお引き受けしました。

日記によると

2009年7月25日(土)に碓氷さん宅の仏間でライトを鴨居に挟んで碓氷さんを助手にして(笑)
次々と撮ったのを思い出しました。

   

  

   


    

    


   

   


  

よく見ると桐箱と鉋の位置が少しずつずれていますが、鉋の銘がちゃんと読めるので
まあよく撮ったとほめてください(笑)

なまじ凝らずに機械的にいわゆるカタログ写真で撮ったのが正解でした。


「碓氷鉋製作所代表的な鉋一覧」の資料は奥さんから書いていただきました。





8月上旬に一応すべての記事の校正が終了。

印刷部数は最初1,000部に決めたのですが、足りなくなると思い1,500部くらいに増やしませんかと
奥さんに言ったのですが、残ってしまう心配と費用がかかることなので結局1,200部にしました。

でも後になってみると・・・

現在ではすべて完売してしまい欲しい人がいても在庫が全然ないので
やはり1,500部にしておけばよかったです。

奥さんと追加の増刷も検討したのですが、追加ということになるとかなり割高になるので断念しました。

それがちょっと残念なことでした。

【 つづく 】
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碓氷健吾氏の本 「夫婦鉋」ができるまで ~その3

2016-05-04 19:23:31 | 
碓氷さんから完成した原稿を見せていただいたのがこのころ(2009年5月)です。



原稿用紙に数十枚びっしりと書かれた原稿を読ませていただいて最初に感じたのが
「これは大変だ。」

というのも、碓氷さんは普段鍛冶屋をしていて文章をそれほど書き慣れていないせいか
原稿の文章には改行や句点(。)があまりなくワンセンテンスがとても長い。

私の父の同級生でもあった昭和3~4年生まれの人だったのでそれは無理もないことです。

そして碓氷さんは研究者でもあったので内容が専門的で用語もむずかしく、
また地域の固有名詞などもあり、これは普通の本の編集者では解読は無理ではないかと思いました。

この業界のことや内容をある程度知っていて、地名もわかり文章をワードに起こして
校正ができる人ってことになると・・・・「俺がしましょうか?」と思わず言っていました(笑)

もちろんそんな経験もなく責任重大だとはわかっていましたが、
この時はこの本が完成しないかもと危機感を感じていたので
この本の作成に大きく関わることになりました。

そしてこの本をどこで出版してもらうのか決まっているのかとお聞きしたら
まだ決めてないということだったので私が中学の時の国語の先生で
3年の時の担任だった高橋実先生が定年後勤めておられる「あかつき印刷」が
そういう個人的な本の出版をされていることを思い出してまかせてもらうことにしました。

碓氷さんの自宅に訪問する前日の6月3日にうちの会社で「あかつき印刷」の
社長さんと高橋先生(もう先生ではないのですが呼びにくいので)の3人で
打ち合わせをしました。

ただの個人の自費出版ではなく全国的に有名な鍛冶屋さんの本ということで
社長さんも一緒に来訪されました。

そこである程度背景を説明して翌日碓氷さんの自宅に3人で伺いました。

2009/06/04 碓氷健吾氏の執筆進行中



もともとこの本は、小川棟梁さんと上條先生の勧めで碓氷さんが鍛冶屋人生の集大成として
後世に記録に残すために執筆を始められたものです。

内容は、ご自分の生い立ちだけでなく、鉋の製造過程や鋼について今までの研究結果もまとめた
この業界の人なら必ず読みたくなるような本です。

「削ろう会」で発表された論文やカラー写真なども豊富に掲載する予定です。



この時の記事で上記の内容が書いてあるということはあとで出てくる
塩野米松氏の「聞き書き」の原稿はすでにできていたと思われます。

塩野米松氏は「職人の聞き書きの名手」と言われこの業界のいろいろな
職人さんの本の「聞き書き」をされていられる方です。

今回この記事を書いていて初めて気付いたのですが
塩野氏は1992年に「昔の地図」で第107回芥川賞候補となられた人とのことです。

そして偶然にも高橋実先生は1965年「雪残る村」が第52回芥川賞候補となられています。

なんと二人の芥川賞候補作家が関わっていたことに驚きました。




今日の碓氷さんは、職人さんと言うより作家の顔?でした。

出版社の社長さん、担当の高橋先生に熱い思いを語っておられました。

印刷部数、本のサイズ、装丁、スケジュールなどを具体的に決めましたが、
まだまだやらなければならないことが多くて大変そうです。

10月10日の「削ろう会三条大会」までには何とか間に合うように微力ながら
お手伝いをさせていただきますのでご期待ください。



この時に印刷部数を1,000部に決めたのですが、あとになってみると・・・。


【 つづく 】

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石焼ステーキ 贅(ぜい)

2016-05-04 19:20:11 | おいしいよ
昨日の夕食は家内の誕生日祝いと母の日(私の母ではないですが(笑))を兼ねて
作らなくていいように外食にしました。

どこに行くかいろいろと悩んでがっつりと肉!

あまりの肉が好きでない(脂身のことでヒレや鶏ささみは好きなのだそうです)娘がなぜか
肉と言ったので久しぶりにここに。

といってもこの店舗は以前高級回転寿司「千両」があった場所なので初めての訪問です。

近くなってよかった。



今日は贅だけにがっつりと贅沢に(笑)

私はこちら。



娘はこれのヒレ100g



家内はシンプルに贅ステーキ&ご飯はいらないので冷麺。


サーロイン130g&霜降りミスジ100gステーキセット



肉はレアで提供されるので300℃のアツアツ溶岩石で自分の好みで焼いて食べるのです。



久しぶりの贅沢な肉で特に霜降りミスジが柔らかくて美味しかった。

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碓氷健吾氏の本 「夫婦鉋」ができるまで ~その2

2016-05-04 06:47:42 | 
この本「夫婦鉋」を碓氷さんが書きはじめたのは8年近く前の2008年の秋のことなので
このブログの過去記事と手書きの日記を参考に記憶を呼び覚まして書いていきたいと
思っていますが、時期や内容に間違いがありましたらご容赦ください。
(明らかな間違いは訂正いたします。)

一番最初にその内容がでてくるのがこの記事

2008/11/07 鋼の種類


この記事のなかに「今、碓氷さんが本を書いているお手伝いをさせていただいています。」とあるので
このころ碓氷さんが本のための原稿を書かかれていていたことがわかります。

そしてその本の中に掲載するための写真を撮ってと私に依頼されました。

このころはまだコンパクトデジカメで(一眼レフカメラを購入したのが2013年)
今みると恥かしいような写真です(汗)



 鋼の種類

高純度炭素鋼、粉末鋼、ショーラブレックマン、アッサブK120、洋玉鋼、サンドビック、青紙スーパーY鋼、青紙一号、白紙一号、玉鋼、東郷鋼

次に碓氷さんが記事に出てくるのが

2009/05/01 碓氷さんの近況報告

その中に

昨年秋から療養されていた碓氷さんですが、退院後も自宅で静養されていました。

先日までは寝巻きを着て部屋で休んでおられましたが、今日伺ったらなんと仕事場から音が。

そこには、仕事着を着て鋼伸ばしをされている碓氷さんの姿が・・・。 半年ぶりに見る勇姿でした。


とあるので前年の秋から半年ほど静養されていてその間に原稿の執筆をされていたことがわかります。




【 つづく 】

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GW後半の3連休始まりました。

2016-05-03 16:13:13 | 
【 本日2本目 】

今日からGW後半の3連休が始まりました。

午前中は特に出かける用事もないので朝のうちに自宅庭で花の撮影練習。

いつもと違う撮り方に挑戦してみました。



スケルトンチューリップ

いま通信教育で所属しているカメラ教室でハイキー(露出オーバー)で撮るのを得意にしている人を
インスパイアして撮った写真。



バックシャン

ある程度年輩の方は知っている「バックシャン」という言葉。
「うしろ姿が美しい」という意味ですが、この花を見た時、
前から見るより後ろ側のセロファンみたいな他にない感じにおもしろさを感じました。



夜空に輝く星

ナイトスカイの名前通りのイメージです。



まだ見ぬ君はどんな花

つぼみもよく見ると意外にステキだということに写真を撮り始めて気付きました。

・・・・・

その後はHPの更新アップして、ブログのストック記事がなくなったので
碓氷健吾氏の本「夫婦鉋」ができるまでの超大作を書き始めました。

夕方にはごちそうを食べにでかけてきます(笑)

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碓氷健吾氏の本 「夫婦鉋」ができるまで ~その1

2016-05-03 15:36:43 | 
碓氷健吾・明恵著の「夫婦鉋」



先日机の中を整理していたら懐かしいものがでてきました。

「夫婦鉋」の本を作る時に元になった碓氷さんと奥さん明恵さんの原稿。

直筆の生原稿は最初私のところにあったのですが、
2013年9月に「鉋鍛冶碓氷健吾の仕事」が竹中大工道具館で開催される時に
お返ししたのでこれはコピーです。

碓氷健吾氏の原稿



碓氷明恵さんの原稿



この本の完成までには碓氷さんと個人的にいろんな関わりがあったのですが、
備忘録として記録していきたいと思います。

【 つづく 】

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「鉋型鉛筆削り付キーホルダー」のミニ情報2

2016-05-02 20:56:30 | ミニ情報



3月2日に「鉋型鉛筆削り付キーホルダー」のミニ情報を投稿しましたが、
新情報が入ったのでPart2を投稿します。

以前も一時そういう時があったのですが、
今回入荷分の鉋部分の色がカラフルできれいだったので
メーカーに聞いてみたら
「要望があるのでこれからは木の材料を混ぜてこのように作る」という返事でした。

まだ入荷してませんが、追加注文をしておいたので近日入荷の予定です。

複数注文の場合にはこちらで色を混ぜて選んでお送りします。

特定の色の指定は受けられませんのでご了解ください。


6/11~6/12の与板のミニ削ろう会でも販売予定ですのでお求めください。

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「ステン張豆平鉋」のミニ情報

2016-05-01 23:18:37 | ミニ情報
【 本日2本目 】



面取に使う場合、台の同じところばかり当たるのを減るのを防ぐために
台の裏の全面にステンをはった豆平鉋48mmが重宝されています。

替刃式鉋のデコラ鉋がよく売れているのも同じ理由のようです。

ただ、材料のステンの板の発注単位が大きいので
台屋さんが材料がなくなってしまい今ある在庫で終了します。

ネットでは「神技ブランド」で作っていたのですが、
今は通常の卸ブランドの「橘敏明」銘で残り3丁になりました。

一応これで終了いたします。
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りっつさんの自宅訪問して山菜採りに行ってきました。

2016-05-01 22:55:32 | 日常雑感
今日は前から家内がりっつさんのところへ行って小千谷の山で山菜採りをすると聞いていたのですが、
昨晩りっつさんから「旦那さんは来ないのですか?」とメールが来たので
「山菜採りしなくても写真撮りしてればいいか」と急遽連れていってもらいました。

りっつさんからメールで自宅の場所を連絡いただいたのですが、116号から交差点で右折する?

116号は柏崎から上越に行く国道で方向が違うので調べてみると実際は117号でした。

1号違うくらいはどうってことない(笑)

天気予報ではくもりだったのに途中では結構な雨だったのでこれで山へ行けるのか?

カーナビで案内されて行くと約1時間で到着。

こんな人が出迎えてくれました(笑)



以前ビギンで知り合ったyokkoさんご夫妻もあとから到着してお宅におじゃましました。

りっつさんは時間になって休みでないので「きらら」に出勤して、義父さんと義母さんと話をしているうちに
雨が上がってきたので義母さんの運転で山の奥へ。

写真撮りをしているはずの私もなんといっしょに山へ行くことに(笑)

久しぶり?初めて?の山歩きであちこちに「うど」「ふき」がたくさん生えていて意外に楽しかった。

帰ってからは大おばあちゃんもいっしょに話に加わって初対面とは思えないくらい
話が盛り上がりました。

帰りにはお義父さんからもたっぷり山菜をいただきありがとうございました。


たぶん忙しいだろうと思われる「きらら」のお昼タイムを避けて1時半ころ「きらら」へ。









ちょうどいい混み具合の店内で、Lunchメニューから「農家の焼きチーズカレー」をオーダー。



野菜(特にサツマイモ(笑))がたっぷりのカレーセットで、美味しかった!



スペシャルさつまいもパフェも。



テーブルに置いてあるノートを読むと食べた人がみんな満足しているような様子でよかったです。

・・・・・

先日4月28日に新潟県初6次産業化プロデューサーとして与板中学校2年生の生徒に
講演するということだったので「せっかく与板に来るのだったら会社に寄って」と
招待したら忙しい中、来社してくれました。

午前中柏崎で仕事をしたあと、学校へ行く前の少しの時間に慌ただしく立ち寄って
あっと言う間に立ち去っていきました。

「私はマグロだ!動いていないと死んでしまう生物なのかも」と言うだけあって忙しい人だ(笑)

以前からSNSで使う写真の撮影依頼もされていたのですが、正式な撮影はできないので
ほんの5分くらいの間にとりあえずちょっと撮らせていただきました。

だんなさんいわく
「誰だ!?お前のことをこんなに良く撮ってくれた人はヽ(゜Д゜)ノと大騒ぎ(笑)」された写真がこれ(笑)

本人いわく
「すっごく 清楚な感じ・・・(自分で言って恥ずかしい・・・)
に見えて恥ずかしいので まだどこにも使えていません・・・」

ので本人の許可がでるまではモザイク入りです(笑)


コメント (2)
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