釣の棲家

終の棲家を求め千葉へ移住。旬の魚をすわぶるために迷釣する房総釣行記。

飯岡沖の夏ヒラメ 好釣のはずが…

2012年07月25日 16時59分58秒 | その他の釣り場
飯岡沖の夏ヒラメが連日、好釣果を上げている。
トップはツ抜けに迫る勢いとあらば、久しぶりの釣行にうってつけ。
ゴリ押しで平日に休みを取り、飯岡港・幸丸から出船した。

4時前に宿に着くと店内はすでに活気いっぱい。
さすがマダイ、ヒラメ、ジギング、シロギスの4艘体制の大店だ。
受付で空いていた右舷トモ3番の席を確保する。
ヒラメ船は平日にも関わらず右舷8人、左舷7人の計15人が乗船し、
定刻4時半に港を後にする。



航程わずか10分で水深15メートルの最初のポイントに到着。
お気に入りの活餌ローリングを装着した親バリに
手頃サイズのイワシを丁寧につけ第一投。
仕掛けはハリス80センチ、捨て糸30センチ、オモリ60号。



しばらくすると、コツンと竿先が引き込まれた。
早速来たかと心待ちにして次の引きを待つが2、30秒経っても音沙汰なし。
痺れを切らし静かに聞き上げると、グイ~ンと竿先が絞り込まれた。
「よっしゃ~」とばかり、さらに竿を立ててハリ掛かりさせる。

ニンマリしながらリールを巻き取るが、
なにやら竿を叩く引き込みが青物のよう。
エサをくわえて2、30秒もじっとしていたのだから、
てっきり本命かと思ったが、顔を見せたのは、
悪い予感的中のイナダ。走るのを忘れた根性なしだった。

思えば、この最初の妙なアタリがこの日の釣りを象徴していたのだろう。
どのポイントでも必ず数匹ずつ本命が上がり、好釣の波に乗って
一人二人と片目を開けていくのだが、
我が愛竿だけは避けて通られる根性なしだった。

そうかと思えば、ガツン~とびっくりするほど大きな引きに襲われ、
竿先が海中に引きずり込まれた次の瞬間、
ポ~ンと跳ねるように竿先が戻ってしまう。
見事なまでにイワシの下半身だけを食いちぎって逃げたド根性ヒラメだった。



また、ギュ、ギュイ~ンと引き込まれる
2.5段目あたりでフッと軽くなったと思ったら、
すぐその後に1メートル離れた左隣の釣り人の竿先が突っ込み、
いとも簡単にハリ掛かりし、良型があがった。

きっと、捕食のヘタクソなヒラメが我がイワシをくわえ損ない、
その先で待っていた隣の釣り人のイワシに食らいついたに違いない。

船中では一人平均2~3枚あがっているようだ。
件の左隣の釣り人は、移動後の投入で即リーチ一発ハリ掛かり。

「1メートルも離れていないのに、何で隣ばかりくるんでしょうね~」

タモ取りにきた船頭の言葉が、グサリと背中に突き刺さる。
そんなこと言われたって、ヒラメに聞いてくれと言うしかないではないか。
その後、右舷ミヨシ寄りの若者が本命を上げた。

「これで顔を見ていないのは…、あと一人です。
 昨日もオデコなしでしたから、頑張ってくださ~い」


船中に響きわたるアナウンスが脳天を直撃する。
釣り人15人中、とうとう最後の一人となってしまった。

操舵室のミラー越しに感じる船頭の視線。
「オデコあと一人って…、アッ、この人だ~」
という周囲からの無言のプレッシャー

仲間と一緒ならグチの一つもこぼせるのだが、
単独釣行ではそれも適わない。
持参したアルコールも底をつき、
タバコの本数が増えるばかりだった。



沖上がりまであと1時間半を切り、好釣のためエサ切れの心配もある。
焦る気持ちを抑え、深いため息を呑み込み、
じっとガマンの時間を堪えるしかなかった。

土産を手にした釣り人の「もうあがってもいいよ~」
の雰囲気が伝わってくる中も、感染しそうなまったり感を跳ね返し、
置き竿にすることなく丁寧に誘いをかけ続けた。

そして…、ついに…、ようやく…、
とうとう…、やっとこさ…、

慈悲深き釣りの女神さまが微笑みかけてくれたのだ。

ビビビッ、…5秒後…、ギュギュギュ、…5秒後…、ゴゴゴッゴ~ン。

竿先が海中に引きずり込まれ、待望久しいハリ掛かりに至った。
心のうれし涙をぬぐいながら慎重に巻き上げる。
船頭の「オメデトウ~」の声と同時にタモにおさまったのは
なんとかヒラメと呼べる52センチの本命だった。



「これで2日連続オデコなしの好釣果をあげることができました。
 乗船していただいた皆さんのお陰です。ありがとうございました」

軽やかなアナウンスを聞きながら、まじまじとヒラメを見つめる。
15番目の最後の最後の釣り人に来てくれて、本当にありがとう。
これまで釣ったヒラメの中で、最高にうれしい1枚となった。

好釣が続く飯岡沖の夏ヒラメ。
この日の釣果は1~8枚。船中で60枚位はあがったのではないだろうか。
魚影は確かに濃いが、侮ると痛い目に遭うのも釣りの奥深さ。
そんなことを思い知らされた釣りだった。



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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
夏のヒラメ。。。 (汐留の漁労長)
2012-07-25 20:09:22
釣の棲家さん はじめて訪問させて頂きました。
幸丸さんって私事で恐縮ですが、10回乗船結果の割引券をもらって以来、なんといってない船宿さんです。(たまたま行く機会がないだけです。。。)
ヒラメ好調と思いきや、かならずしもそうではないのですね。。。でも1本釣れないのとは大違いで大型が釣れて本当に良かったですね♪
なんか幸丸に行きたくなりました。
失礼しました。
返信する
takajinxeさんへ (fu-goo-log)
2012-07-25 21:10:53
諦めない粘り腰、おめでとうございました(^0^)。巻き上げる時は必死で、うれし涙を感じる余裕はなかったかも(^^)
私もフグ釣りで爆釣もありましたが、沖揚がり数分前にオデコ脱出という大ドラマもありました(^^;;)
僅か1メートルの違い、胴の間で日常的に経験していますが、これも釣りの面白さと自分に言い聞かせています(^^)
返信する
珠玉の一枚です (まるかつ)
2012-07-25 21:57:26
痛いほどの視線に打ち勝っての1枚。
痺れたでしょうね...。
朝一でいとも簡単に1枚上げて、軽い気持ちで一日を過ごす個ともありますが、今回のような釣行は一生忘れない物ですよ。
「良く我慢できた!」と自分を褒めてやってください!!
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汐留の漁労長さん (管理人)
2012-07-26 10:08:15
汐留の漁労長さん

コメントありがとうございます。
ようこそ拙ブログにいらっしゃいました。
幸丸さんは、船頭さんたちが丁寧に接客してくれとても気持ちの良い宿だと思います。
飯岡はR丸の船主が千葉県遊魚船業界の重鎮だけあって、どの宿もサービス業としての釣り船を標榜しています。
ぜひ、出かけてみてください。
今後とも拙ブログをよろしくお願いいたします。
返信する
fu-goo-logさんへ (管理人)
2012-07-26 10:12:53
fu-goo-logさん

コメントありがとうございます。
最後の最後にオデコ脱出はやはり胃に悪いですよ。
ちょっとしたことでバイオリズムが狂ってしまうと、
何をやっても裏目に出てしまうんですね。
焦らず、恨まず、妬まず、怒らず、平常心で挑む。
釣りもなかなか精神修行になりますわ。
返信する
まるかつさんへ (管理人)
2012-07-26 10:20:16
まるかつさん

コメントありがとうございます。

周りでひょいひょい釣られてしまうと、やっぱり焦ります。
オデコ覚悟のヒラメ釣りなのに、どこか慢心があったのかもしれません。
基本に忠実に、殺気を抑えて、丁寧に誘いをかける。
珠玉の一枚が初心を教えてくれました。
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Unknown (たー坊)
2012-07-26 21:15:07
たかじんさん こんばんわ。
いや~わかりますよ。。。最後の一人になった時の緊張感と船頭の視線(笑)
もぉ~ひらきなおって、ほっとけやぁ~って言いたくなりますが、それをはねのけての価値ある1枚ですね。
本当、お疲れ様でした (^^♪
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たー坊さんへ (管理人)
2012-07-27 10:16:29
たー坊さん

コメントありがとうございます。
なにせ15番目のブービーですからね。
頭の中は??マークでいっぱいでした。
やはり最初に顔を見て、ゆとりを持って釣ることが一番でしょう。
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お久しぶりです (小物だいすき)
2012-07-28 02:48:55
夏ヒラメ、楽しそうですね
それにしても、その粘り、あやかりたいです~
返信する
小物だいすきさんへ (管理人)
2012-07-28 10:14:30
小物だいすきさん

コメントありがとうございます。
夏ヒラメはアタリが多く、楽しめますね。
リズムが狂うと、今回みたいな痛い目にあいますが…。
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