先日のヒラメ釣りで、隣り合わせた釣り人に感動した。
その人は左手が不自由で、左袖口はレインウエアの
ポケットに入れたまま固定。
右手だけで小型電動リールと竿を操っていた。
エサを付けるときは、親バリを挟んだペンチを両膝の間に固定し
イワシにハリを付ける、ではなく、ハリにイワシをつけるのだ。
それから、イワシをネットに入れ背中に孫バリを打つ。
両手を使ってもエサ付けに難儀する釣り人は少なくない。
片手でそれを行うことがどれほど大変なことか想像して欲しい。
根掛かりやオマツリで仕掛けを交換する際も、
エサ付けと同様にサルカンをペンチで挟み、
両膝で固定して糸を通す。手と口を使って仕掛けをつけ、
それからまた、厄介なエサづけに取り掛かる。
この釣り人は本当に釣りが好きで、好きで、たまらないのだろう。
釣り物の中でもヒラメ釣りは、右手一本で行うにはハンデの大きい釣りだと思う。それでも黙々と、ひたむきに釣りと対峙するその姿勢に、
ただだた頭が下がる。
「失礼でなければ、手をお貸ししましょうか?」
何度も声をかけようとしたが、思いとどまった。
ハンデ承知で乗船したこの釣り人の「覚悟」を感じたからだ。
ただ一度だけ、ヒラメを釣った際にハリがタモ網に絡まり
外すのに苦労されていたときだけ、お手伝いさせていただいた。
かつて、鯛の手バネ釣りで、
ギプスで固めた左腕を三角巾で吊るした釣り人と同船したことがある。
その時も愛すべき「釣り馬鹿」に感銘を受けたが、
竿は軽い手バネだったし、ギプスをしているとはいえ
左手指は使えたわけである。
それより数段ハンデのあるヒラメ釣りで
お情け無用の気概で、ただただ釣りに没頭していたこの釣り人は、
オデコ脱出にもがく自分の右隣で、なんなく3枚のヒラメを釣り上げた。
ふだんの自分であれば、妬みの一つも覚えたはずだが、
この釣り人への畏敬の念がそれを抑えた。
「ついに来ましたね。おめでとうございます」
最後の最後にようやく本命を手にした自分に
やさしく声をかけてくれた言葉が今も耳に残る。
なぜ釣りは、そこまで人を魅了するのか。
釣りの愉しさが、またひとつ分かったような気がした。
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その人は左手が不自由で、左袖口はレインウエアの
ポケットに入れたまま固定。
右手だけで小型電動リールと竿を操っていた。
エサを付けるときは、親バリを挟んだペンチを両膝の間に固定し
イワシにハリを付ける、ではなく、ハリにイワシをつけるのだ。
それから、イワシをネットに入れ背中に孫バリを打つ。
両手を使ってもエサ付けに難儀する釣り人は少なくない。
片手でそれを行うことがどれほど大変なことか想像して欲しい。
根掛かりやオマツリで仕掛けを交換する際も、
エサ付けと同様にサルカンをペンチで挟み、
両膝で固定して糸を通す。手と口を使って仕掛けをつけ、
それからまた、厄介なエサづけに取り掛かる。
この釣り人は本当に釣りが好きで、好きで、たまらないのだろう。
釣り物の中でもヒラメ釣りは、右手一本で行うにはハンデの大きい釣りだと思う。それでも黙々と、ひたむきに釣りと対峙するその姿勢に、
ただだた頭が下がる。
「失礼でなければ、手をお貸ししましょうか?」
何度も声をかけようとしたが、思いとどまった。
ハンデ承知で乗船したこの釣り人の「覚悟」を感じたからだ。
ただ一度だけ、ヒラメを釣った際にハリがタモ網に絡まり
外すのに苦労されていたときだけ、お手伝いさせていただいた。
かつて、鯛の手バネ釣りで、
ギプスで固めた左腕を三角巾で吊るした釣り人と同船したことがある。
その時も愛すべき「釣り馬鹿」に感銘を受けたが、
竿は軽い手バネだったし、ギプスをしているとはいえ
左手指は使えたわけである。
それより数段ハンデのあるヒラメ釣りで
お情け無用の気概で、ただただ釣りに没頭していたこの釣り人は、
オデコ脱出にもがく自分の右隣で、なんなく3枚のヒラメを釣り上げた。
ふだんの自分であれば、妬みの一つも覚えたはずだが、
この釣り人への畏敬の念がそれを抑えた。
「ついに来ましたね。おめでとうございます」
最後の最後にようやく本命を手にした自分に
やさしく声をかけてくれた言葉が今も耳に残る。
なぜ釣りは、そこまで人を魅了するのか。
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でもこちらから手を差し伸べるのは乗下船時のみで、あとはお願いと言われるまで声を掛けないようにしています。
だいたいその様な方々は可能な限り自分でやろうとする覚悟をお持ちなんですよ。
本当に困った時は喜んでお手伝いしますが、そんな場面は意外と少ないものです。
そんなハンディを抱え乗船する人は、やはりそれ相当の釣り人なんでしょうね。
貴重なヒラメの盛り付け、美味しかったでしょうね。ただ今、晩酌の最中なので余計に舌を刺激します(^^;;)
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおりですね。
覚悟の上で臨まれ、それで3枚も釣ったんですから、脱帽です。
コメントありがとうございます。
ハンデを感じさせないお見事な竿さばきでした。
好きな釣りに対して、自分こうありたいと思います。
そんな思いになるお話ですね
「自分の事は自分で」その覚悟を改めて思い知らされました。そして、周りへの優しさ、それを見守るtakajinxeさんのお心配り。お二方に感動しました
勝手気ままな陸釣りが出来るならそこらでなんとかやるかも・・・^^;
乗り合い船の釣りは諦めるつもりです。
他人と同舟ならば、何とか迷惑掛けないように訓練したり工夫したりするでしょうが。
どうしても少なからずハンデはあるでしょうし、気後れなんかで釣りが楽しめないかもですね。
コメントありがとうございます。
お察しのとおり相当のハンデとご覚悟だと思いますから
釣りへの並々ならぬ想いがあったんじゃないでしょうか。
コメントありがとうございます。
自分がそうだったら…、やはり色々と気兼ねするでしょうから、気心知れた船頭と仲間うちの釣りになるかと思います。