5、6年ぶりに、湾フグに会いに出かけた。
すでにガマガエル級の白子持ちが上がっているというから、
期待を膨らませて富津港・川崎丸から出船した。
船宿に着き、座席札を見ると17番、18番の札が2つあるだけ。
6時出船の1時間以上前だが…、甘かった。
大潮で10時干潮、風は北寄りの微風。
若い番号順に乗船するのだが、右舷トモからミヨシへ。
左舷トモからミヨシへと順に席が埋まり、
17番目のブービー席は左舷ミヨシ1番に。
よもや釣果までブービー賞になるのでは、と悪い予感が脳裏をかすめる。
ちなみに18番札の人は随分遅れて乗船したため、
左舷胴間を空けてもらいもぐり込んだからラッキーだろう。
富津のフグ船では、カットウ釣りはご法度で喰わせ釣りオンリー。
仕掛けは幹4号に枝間40センチで、クロスビーズを介して
ハリス3号10センチの3本仕掛け。ハリは丸カイズ13号または14号を使用。
一番下のエダスの下25センチほどにオモリ20号を背負わせる。
出船時間の6時までエサとなる甘エビの皮を剥き、3、4個に切り分ける。
食用にしてもいけるような太い上物で、切り取った頭は船外に捨てるため
ここの船着場は、小魚たちにとって天国のような棲家となっている。
杭が林立する澪筋をゆっくりと抜け、
第一カイホを左に見ながら旋回し南下する。
そして少し走ったと思ったらUターンして船首を北に向け、
丹念にポイントを探索し、水深6メートルの浅場にイカリを下ろす。
船首からロープが伸び、落ち着いたところで実釣スタート。
不利な座席をカバーできればと遠投…、大遠投…、大々遠投…を繰り返す。
型が出るたびに船長がアナウンスで知らせるが、
そのほとんどは右舷胴間よりトモ寄りで姿は見えない。
左舷トモ側でも数匹上がったものの、小型ばかりだった。
微妙なアタリを拾い、乗せるように竿をきき上げてもハリ掛かりに至らない。
ようやく掛けて喜んだのもつかの間。上げてみれば、
とぼけた表情が憎たらしいギマ星人。
ヌルヌル肌で写真を撮るのも億劫になる。
開始から1時間、2時間、3時間が経過してもタルの中はカラッポのまま。
それまでギマ3匹、ヒイラギ1匹に遊ばれただけだった。
左舷でも一人、二人とオデコを脱出していくのにつれ、気持ちは焦るばかり。
体が火照るように熱いのは、太陽のせいばかりではなかった。
ガマガエル級のデカフグのために用意されたタモが空しく風になびく。
1匹釣れるまでは、と我慢していた発泡酒に手をつけ、
湾フグの食わせ釣法の少ない引き出しを探ってみる。
道糸は張らず緩めず、というよりやや緩み気味にして、
テンションを抜いてステイを少し長めにとり、フグに食わせる間を与える。
時折、竿を煽って誘いをかけると同時に、オモリの位置を移動させる。
途中、オデコ状態で唖然とする姿を見かねたのか
この日仲乗りを務めていた富津の名人・フグ姐さんからアドバイスを受け、
一番上のハリスを外し、オモリのすぐ上にハリスを付けなおす。
名人も推奨する浅草有名釣具オリジナル竿で釣れないわけがない、
と男らしく背中を押してくれた。
が、厳しい釣況は好転することはなく、
2本目の缶チューハイも底をついてしまった。
時折タタキを入れてアピールしたりもするが、音沙汰はない。
一日に一度くらいはひったくるようなビビッドなアタリが突然訪れ、
向こうから勝手にハリ掛かりする優しいフグがいるものだが、
この日に限ってそんなお人よしのフグは皆無だった。
よもやのフグ坊主か…。
いまだフグ釣りで経験したことのない焦燥感に駆られる。
さすがに正午を回ると、もはや諦めの境地に陥り、オデコ上等の覚悟となる。
そんな無心の素直な気持ちに、フグ神さまが微笑んでくれたのだろう。
沖上がりまで1時間を切った頃、微細なアタリに竿先がわずかにお辞儀した。
すぐさま聞き上げると、ギマとは違う正統王道のフグの引きを感じる。
「来た、来た、やっと来た~」と心の中で叫び踊りながら慎重にリールを巻く。
海面を割って現れた甲斐性のあるフグをそっと引き抜き、
優しくハリを外してタルの中に放してやる。
ジャスト25センチ、白子持ちにはほど遠いサイズだが
これまで数千匹釣ったフグの中でも一番いとしく感じたフグだった。
当然、ラストスパートの追釣を狙ったが、そうは問屋が卸さないのが釣り。
健闘空しく両目を開けることはできず、釣果1匹で幕を閉じた。
船中の釣果はトップ7匹、次頭4匹の合計45匹。
オデコの人が一人いたそうだから、予想通りのブービーに輝いたわけだ。
富津の仇は千倉で…。
毎年恒例の南房白子狩りでリベンジしたい。
それにしても、静の食わせ釣り・湾フグは手強い。
いずれ、どげんかせんと遺憾と思う。
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すでにガマガエル級の白子持ちが上がっているというから、
期待を膨らませて富津港・川崎丸から出船した。
船宿に着き、座席札を見ると17番、18番の札が2つあるだけ。
6時出船の1時間以上前だが…、甘かった。
大潮で10時干潮、風は北寄りの微風。
若い番号順に乗船するのだが、右舷トモからミヨシへ。
左舷トモからミヨシへと順に席が埋まり、
17番目のブービー席は左舷ミヨシ1番に。
よもや釣果までブービー賞になるのでは、と悪い予感が脳裏をかすめる。
ちなみに18番札の人は随分遅れて乗船したため、
左舷胴間を空けてもらいもぐり込んだからラッキーだろう。
富津のフグ船では、カットウ釣りはご法度で喰わせ釣りオンリー。
仕掛けは幹4号に枝間40センチで、クロスビーズを介して
ハリス3号10センチの3本仕掛け。ハリは丸カイズ13号または14号を使用。
一番下のエダスの下25センチほどにオモリ20号を背負わせる。
出船時間の6時までエサとなる甘エビの皮を剥き、3、4個に切り分ける。
食用にしてもいけるような太い上物で、切り取った頭は船外に捨てるため
ここの船着場は、小魚たちにとって天国のような棲家となっている。
杭が林立する澪筋をゆっくりと抜け、
第一カイホを左に見ながら旋回し南下する。
そして少し走ったと思ったらUターンして船首を北に向け、
丹念にポイントを探索し、水深6メートルの浅場にイカリを下ろす。
船首からロープが伸び、落ち着いたところで実釣スタート。
不利な座席をカバーできればと遠投…、大遠投…、大々遠投…を繰り返す。
型が出るたびに船長がアナウンスで知らせるが、
そのほとんどは右舷胴間よりトモ寄りで姿は見えない。
左舷トモ側でも数匹上がったものの、小型ばかりだった。
微妙なアタリを拾い、乗せるように竿をきき上げてもハリ掛かりに至らない。
ようやく掛けて喜んだのもつかの間。上げてみれば、
とぼけた表情が憎たらしいギマ星人。
ヌルヌル肌で写真を撮るのも億劫になる。
開始から1時間、2時間、3時間が経過してもタルの中はカラッポのまま。
それまでギマ3匹、ヒイラギ1匹に遊ばれただけだった。
左舷でも一人、二人とオデコを脱出していくのにつれ、気持ちは焦るばかり。
体が火照るように熱いのは、太陽のせいばかりではなかった。
ガマガエル級のデカフグのために用意されたタモが空しく風になびく。
1匹釣れるまでは、と我慢していた発泡酒に手をつけ、
湾フグの食わせ釣法の少ない引き出しを探ってみる。
道糸は張らず緩めず、というよりやや緩み気味にして、
テンションを抜いてステイを少し長めにとり、フグに食わせる間を与える。
時折、竿を煽って誘いをかけると同時に、オモリの位置を移動させる。
途中、オデコ状態で唖然とする姿を見かねたのか
この日仲乗りを務めていた富津の名人・フグ姐さんからアドバイスを受け、
一番上のハリスを外し、オモリのすぐ上にハリスを付けなおす。
名人も推奨する浅草有名釣具オリジナル竿で釣れないわけがない、
と男らしく背中を押してくれた。
が、厳しい釣況は好転することはなく、
2本目の缶チューハイも底をついてしまった。
時折タタキを入れてアピールしたりもするが、音沙汰はない。
一日に一度くらいはひったくるようなビビッドなアタリが突然訪れ、
向こうから勝手にハリ掛かりする優しいフグがいるものだが、
この日に限ってそんなお人よしのフグは皆無だった。
よもやのフグ坊主か…。
いまだフグ釣りで経験したことのない焦燥感に駆られる。
さすがに正午を回ると、もはや諦めの境地に陥り、オデコ上等の覚悟となる。
そんな無心の素直な気持ちに、フグ神さまが微笑んでくれたのだろう。
沖上がりまで1時間を切った頃、微細なアタリに竿先がわずかにお辞儀した。
すぐさま聞き上げると、ギマとは違う正統王道のフグの引きを感じる。
「来た、来た、やっと来た~」と心の中で叫び踊りながら慎重にリールを巻く。
海面を割って現れた甲斐性のあるフグをそっと引き抜き、
優しくハリを外してタルの中に放してやる。
ジャスト25センチ、白子持ちにはほど遠いサイズだが
これまで数千匹釣ったフグの中でも一番いとしく感じたフグだった。
当然、ラストスパートの追釣を狙ったが、そうは問屋が卸さないのが釣り。
健闘空しく両目を開けることはできず、釣果1匹で幕を閉じた。
船中の釣果はトップ7匹、次頭4匹の合計45匹。
オデコの人が一人いたそうだから、予想通りのブービーに輝いたわけだ。
富津の仇は千倉で…。
毎年恒例の南房白子狩りでリベンジしたい。
それにしても、静の食わせ釣り・湾フグは手強い。
いずれ、どげんかせんと遺憾と思う。
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手だれの達人たかじんさんでも大苦戦。私ならお坊さん確定ですよ。
もう一度行かんとね。
コメントありがとうございます。
5年ぶりの喰わせ、座席不利を言い訳にしますが、
手厳しい洗礼を受けました。やっぱ平日に行くしかないですね。
コメントありがとうございます。
たまにしか行かないからダメなのは当然なんですが、ヘボを棚に上げてもしゃくですよね。やっぱ授業料払わないとダメ何でしょうか。
川崎丸はこの日はいつになく大勢の客が乗船したし、釣り座の問題も含め、条件が厳しかったですよね。
南房の白子狩りでのリベンジ、是非豊漁で白いダイヤをたらふく賞味できることを!
喰わせのフグって難しいんですね~。
しかし、私、本日シロギス釣りに行ったら隣の方が(もちろん青イソで・・・)ショウサイ2尾あげてました。「いる?」と聞かれましたが「捌けないので」とお断りしました・・・。(本当は食べたかった~。)
コメントありがとうございます。
他の船は大貫沖に結集していたようですが、
その後、結構散らばっていましたね。
やはり喰いが芳しくなかったのでしょうか。
湾フグは、やはり連荘で通わなければダメですね。
コメントありがとうございます。
フグ釣りを知らない人はやはり怖いんでしょうね。
昔、鯛釣りでお隣さんが釣ったでかいアカメを喜んで頂戴したことがあります。
旨かったな~。
湾フグは、相変わらず厳しいですね~(~_~;)
白子の時期なのですが、フグ釣りに足が向きません(笑)坊主じゃなければOKなんじゃないでしょうか。。。
坊主かも~って覚悟した後に、釣れてくれた魚は愛おしいですね(笑)
6月に、大洗に行ってきます
南房も行ってみたいので釣行記、楽しみにしています