ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「みをつくし料理帖」

2020-11-04 14:44:33 | Weblog
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会


友人に誘われて、ユナイテッドシネマとしまえんに行って、観てまいりました。

原作は高田郁さんの同名の時代小説シリーズ。

角川映画レビュー6発目です!

正直なところ、あまり期待していませんでした。
'70年代後半から'80年代前半の頃の角川映画は、結構観ていたのですが、角川春樹さんの監督作をあまり観たことがなく、唯一観たことがある「笑う警官」も、自分のブログを読んでやっと思い出した、という感じの、親不孝者(?)なのでありまして・・スンマセン。。。

UCとしまえんのロビーは、混雑していました。おそらくその多くは「鬼滅の刃」を観ようとするお客さんだったようで・・。

その日の6番スクリーンは2割程度の入り。

上映が始まって、ストーリーのあらすじも全く知らなかったので、それが良かったのか、あさひ太夫が狐のお面でバク転したあたりから(ネタバレですみません)、物語に引き込まれました。

ちょい、あらすじ・・。(ネタバレあります)

享和二年の大阪。
8才の澪(みお)と野江(のえ)は幼馴染で、何をするにもいつも一緒。
泣き虫な澪を見て、野江は
ー泣き味噌やなぁ、澪ちゃんは。きつねは、コン、コン。涙は、コン、コン、やでー
手できつねを作って、澪を元気づける、野江であった。

ある日、二人で街中を遊んでいる拍子に、澪が井戸の中に履物を落としてしまった時も、野江は、自分の履物も井戸に投げ入れて、
「叱られる時も、一緒や」と、一緒にお小言をもらってくれるのであった。。。

その時、そこに居合わせた高名な易者、水原東西(反町隆史)に、野江は、朝日が天に昇るように、いつか天下を取る「旭日昇天」。澪は、人生に艱難辛苦が絶えないが、苦労に耐えればいつか青空が見れる「雲外蒼天」と占われる。
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

ところが、その年、大阪の町が大洪水に襲われる。

澪はその洪水で両親を失い、野江とは音信が途絶え、生死のほども判らなくなってしまう。。。

10年後の江戸・神田にある蕎麦処、「つる屋」で料理人として働く澪(松本穂香)の姿があった。
あの大洪水のあと、両親を亡くした自分を拾って助けてくれた天満一兆庵の女将・芳(若村麻由美)と二人で暮らしている澪は、つる屋に雇われて三月目に初めて自分が作った上方風の牡蠣鍋をお客に振舞ったのだが、その評判が良くない。

江戸では牡蠣は殻ごと焼いて食べるのが常で、上方では喜ばれる牡蠣鍋も、江戸ではなかなか受け入れられないのだった。

悩んでいる澪に、神田の町医者である永田源斉(小関裕太)が、江戸は職人が多い。汗をかくので、それを補うため、料理は濃い味付けが好まれる、と助言する。
澪はそこで「食は人の天なり」という言葉と出会う。。。
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

という感じで物語が進んでゆくのですが、
当方、空腹で観に行ったものですから、とにかく登場するお料理の美味しそうなこと(゚∀゚)これ、見るだけってのは、けっこう拷問でした(T_T)

つる屋の常連で、御膳奉行である小松原(窪塚洋介)が登場します。
澪のことを「下がり眉」と呼ぶこの人物。
料理に関して、言葉少なに、厳しく、しかし的を得た評価をして、澪の料理人として進む道の標を示してゆきます。
このキャラクターが、ストーリーの最後まで関わってくるのですが、窪塚さんイイですね!
「沈黙ーサイレンスー」のキチジロー役も印象強いですが、今回は寡黙な御膳奉行。
澪の心に灯をともす役を演じて、イイ感じです。
つる屋に来るお客さんたちが、どちらかというとオーバーアクション(そういう演出だと思いますが)なのに対し、この窪塚さん演ずる小松原は寡黙で、言葉少なく、渋いっす。

その小松原が、澪に「料理の基本がなっていない」と、苦言を呈する場面があります。

考え悩む澪を見かねて、源斉は、気晴らしに、吉原で催されるお祭りに、澪を連れてゆきます。

そこで催されるお祭りで、澪は、“幻の花魁”と言われている、あさひ太夫の舞いを見ることになります。。。

このシークエンスで、澪と、あさひ太夫のつながりが出来るのですが。。。
周りで見ているお客さんも、映画を観ているこちらも、恐らくこのバク転を披露した方が、あさひ太夫だろうと。。いったいどこのお店の誰だろうかと、狐のお面をしているので、謎なのであります。

又次という吉原・扇屋の料理人(中村獅童)が登場します。
この又次を介して、澪の料理があさひ太夫(奈緒)に届くようになって、ストーリーは展開してゆきます。
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

この奈緒さん演ずるあさひ太夫がスクリーンに登場するのですが、見ているこちらが、思わず、ハッ!と息を呑むような、艶やかさです。さすが吉原で伝説になるような花魁。。。

当方、最近の映画やテレビをあまり見ないので、こんな素敵な女優さんがいるとは、知りませんでした。。。
奈緒さんのあさひ太夫は、ディープ・インパクトでした。

また、中村獅童さん演ずる又次が、イイ仕事(?)するんだなぁ・・・。
言葉少なで、忍んで、耐えるキャラクターは、往年の高倉健さんを彷彿とさせます。。
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

スゴくネタバレしますので、これから観る方は、読まないでね・・。

「雲外蒼天」。幼い日に占われた言葉が、澪と、あさひ太夫を名乗る野江とを結びつけます。。。

野江が、又次に助けられるシーンが、一瞬だったので、そこをもう少し噛み砕いて、ストーリーに入れて欲しかったです。

廓の二階に居る野江と、窓下の澪の、狐はコン、コン、のシーンは、もうちょっとあっさりしていたほうが、イイかな。。。

野江と澪の、鳥居の下での再会シーンは、一緒に観に行った友人と意見が分かれました。友人は映画の通りで良い。ワタシはあまのじゃくだから、あそこで野江が狐のお面を、外さないで、そのままで再会したほうが、もしかしたら、イイかな、なんて思いました。

澪と小松原の別れのシーンは、言葉少なで、グッときました(T_T)
お互いの気持ちは、向き合ってるのに、別れる。。。松本穂香さんも窪塚さんも、グーッと長回しに耐え、いいシーンでした。
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

この映画、音楽は「ねらわれた学園」「時をかける少女」でも素敵な旋律を届けてくれた、松任谷正隆さんが担当していらっしゃって、ここ一番!というスポットで印象的で切ない“松任谷節”が奏でられ、物語に潤いを与えてくれます(^^♪
エンドロールで流れる「散りてなお」は、作詞・作曲 松任谷由実さん 編曲 松任谷正隆さんで、手嶌葵さんが歌っていらっしゃいます。ストーリーのエンディングの余韻が感じられる、とても素敵な曲です。

長くなりまして、恐縮なんですが、この作品、角川映画にゆかりのある俳優さん、たくさん出演なさってますね(^^♪

角川映画第一作目の「犬神家の一族」で金田一耕助を演じて、その後も横溝正史原作の作品の多くに出演された、石坂浩二さんを筆頭に、「スローなブギにしてくれ」の浅野温子さん、「蒼き狼ー地果て海尽きるまでー」の若村麻由美さん、反町隆史さん。「メインテーマ」「キャバレー」などの野村宏伸さん、「伊賀忍法帖」「晴れ、ときどき殺人」などの渡辺典子さん、「男たちの大和/YAMATO」の中村獅童さん、「天と地と」の榎木孝明さん、「湯殿山麓呪い村」の永島敏行さん、「野獣死すべし」の鹿賀丈史さん、そして「野性の証明」「セーラー服と機関銃」「Wの悲劇」などの薬師丸ひろ子さん・・・(一生懸命網羅したつもりなんですが、情報足りなかったら、ゴメンナサイ(汗))

豪華です~!
本作未見の方は、どのシーンで誰が出てくるかというのも、楽しみ方のひとつかも。。。

(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

追記。
藤井隆さん演ずる、つる屋の常連で、文句を言いながらも、足繁く通う戯作者・清右衛門が、ユーモラスでとても魅力的なのですが、薬師丸さん演ずる奥方、お百さんが登場するシーンで、お百さんの「今回の『里見八犬伝』は、この人にしては上出来・・・」というセリフがありまして、
見終わってから、友人が、「『里見八犬伝』って言ってたから、清右衛門は、滝沢馬琴がモデルなのでは?」と言った拍子に、あ!薬師丸さん!『里見八犬伝』!!と、そのセリフがお洒落だったことに、やっと気がついたワタシでした。。。(^0_0^)





ヒッキー的満足度★★★★☆






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