ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「Wの悲劇」

2020-11-21 16:10:29 | Weblog
(C)KADOKAWA1984

角川映画7発目は、薬師丸ひろ子さん主演の「Wの悲劇」です!

この作品、原作は、夏樹静子さんの同名小説とクレジットされていますが、この原作は実際は、この映画「Wの悲劇」で演じられる劇中劇が書かれたものであり、映画としてはこの劇中劇を内包する、劇団の研究生が成長してゆく過程を描いた青春映画という感じになっております。赤字はWikipediaより抜粋。

この「Wの悲劇」は1984年に映画館で観たのですが、このレビューを書くために、約30年以上振りに観直してみました。

主演の薬師丸さんがとてもイイっす(^^♪

'84年にリアルタイムで観たときは、よく判らなかったのですが、おじさんになってから観直してみると、とても素敵。。。

そして、それと同じか、もしかするとそれ以上に、三田佳子さんがとってもイイっす(^^♪

この映画は澤井信一郎監督の作品で、この作品で日本アカデミー賞の最優秀監督賞を受賞されております。

ちょい、あらすじ・・・。ネタバレあります。。。

最初は、暗い感じの画面で、主人公の三田静香(薬師丸ひろ子)と劇団「海」の先輩俳優である五代淳(三田村邦彦)の会話から入ります。。。

三田静香は、劇団「海」の研究生。
その日の朝方、アパートへ帰る途中の誰もいない公園の野外舞台で一人演じてみると、拍手が聞こえた。これが静香と昭夫(世良公則)の出会いであった。。。

その頃、劇団「海」では、新作「Wの悲劇」のオーディションが告知される。準主役級の女性の配役のオーディションである。

その舞台の主演は、劇団「海」のトップスター女優である羽鳥翔(三田佳子)である。

そして、オーディションの結果、準主役級の「和辻摩子」役に、静香のライバルである菊地かおり(高木美保)が選ばれた。

静香が与えられた配役は、セリフ一行で終わり、舞台から下がる女中さんの役で、楽屋当番と、舞台中の俳優さんたちのセリフや立ち位置を舞台袖からサポートする「プロンプター」もやるように命ぜられた。。。オーディション落選である。。。
(C)KADOKAWA1984

その夜、静香と、落選を知った昭夫は、看板になるまで居酒屋で飲み、静香は昭夫のアパートに・・・。
その後日、女優としてもし芽が出なかったら、と昭夫は静香にプロポーズをする。もし静香がスターになった日には、楽屋に大きな花束を届けて、それをサヨナラの挨拶にしようと。。。

そして「Wの悲劇」は大阪公演よりスタートする。

その大阪公演中のある夜、異変が起きる。
羽鳥翔の泊まっているホテルのベッドで、翔のパトロンである堂原良造(仲谷昇)が心臓発作で死んでしまう。
このままでは、マスコミの餌食になり、羽鳥はスキャンダルにまみれて、スターの座を追われることになる。。。

そのとき、たまたま届け物をした静香を羽鳥は部屋に入れ、静香に、「和辻摩子」の役を与える代わりに、堂原とのことを、身代わりを演じてくれるように懇願するのであった。。。

静香にとって、一世一代の、「芝居」の幕が開いた・・・!
(C)KADOKAWA1984

という感じで、ストーリーが展開してゆくのですが、冒頭でも書いたように、静香を演じる薬師丸さんが、イイのであります(^^♪

メイクとか髪型、画面の色調やストーリーそのものも手伝っているのかも知れませんが、それまでに出演した「ねらわれた学園」や「探偵物語」「メインテーマ」の頃よりも、明らかに大人っぽくて(単に私の好みっちゅう話もありますが(汗)素敵なのであります。。。
後半の記者会見の長回しのワンカットは、「女優」薬師丸ひろ子の誕生を感じさせます。
(C)KADOKAWA1984

そして、この映画を成功に導いたファクターの一つに、羽鳥翔を演じた三田佳子さんの卓越した演技力と存在感があると思います。

堂原の死のあと、静香を部屋に呼び入れて、自分と堂原の出会いから今までを静香に説明し、静香に身代わりになってくれと、懇願をして静香に納得をさせるまでの長回しのワンカットは鬼気迫るものがあります。
「できるわよ!あんた役者でしょ!!」・・・。
スキャンダルから逃れようとする羽鳥翔ですが、三田佳子さんの鬼迫のせいか、“悪者”のイメージは薄く、ストーリー後半でも静香の初舞台をバックアップするなど、情熱的でとても素敵です!

で。。。あれ?そのあおりを食らって、「和辻摩子」役を降ろされた高木美保演ずる菊地かおりの立場は??
とも思うのですが、三田佳子さんの気迫と、薬師丸さんの熱演で、ラストまでもっていくので、かわいそうなんですが、観ているこちらは、ラストの近くでかおりがもう一度出てくるまではかおりサイドの感情は忘れて、イイ意味でストーリーに没頭できてしまいます。。。

この映画、音楽は、のちに「あの夏いちばん静かな海」「HANAーBI」「菊次郎の夏」などの
北野ムービーの多くを手掛けることになる、久石譲さんが担当なさっていて、要所要所でストーリーを引き立てる印象的な旋律を届けてくれます。

ネタバレになってしまうのですが、
オーラスで、静香と昭夫がよりを戻さない、という筋書きが、この作品の魅力を決定づけているのかなと、思いました。
(C)KADOKAWA1984

ラストで昭夫の拍手に、振り返ってとるポーズが、エンドロールになるのですが、松本隆さん作詞、ユーミン(呉田軽穂)作曲の「Woman“Wの悲劇”より」の曲と相まって、何故かとてもノスタルジックな気持ちにさせられます(T_T)

薬師丸ひろ子さんが「女優」への道を踏み出す姿と、この作品のストーリーが、ダブルイメージとなって感じられる、素敵な映画でした。。。





ヒッキー的満足度★★★★☆





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