ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「どついたるねん」

2021-05-11 15:17:17 | Weblog

画像 pds.exblog.jp「どついたるねん」

 

監督・脚本 阪本順治

30年以上前に観た本作を、10年程前に記事にしたのですが、とても好きな作品で、記事が埋もれていくのは残念なので、もう一度観て、10年前の記事をベースに、また紹介してみようと思います(^^♪


ボクサー現役時代は「浪速のロッキー」と呼ばれた赤井英和さんの初主演映画であります。

この映画は思い出深くて、劇場公開時には観なかったのですが、たしか就職して間もない頃、初めて買ったVHSのビデオデッキで、最初に見た映画だったと記憶しております。

ネタバレあります~・・。

ストーリー冒頭で、赤井英和さん演じるボクサー安達英志が世界タイトルの前哨戦のリングで、イーグル友田(大和田正春)にノックアウトされる。
意識不明。そのまま病院へ搬送され、開頭手術を受け、一命を取り留める。。。
奇跡的に殆んど後遺症は残らなかったが、頭に“爆弾”をかかえた安達は、二度とリングには上がれなくなった・・。

このあたりのストーリーは、赤井英和さんが実際にたどった道程に近いのではなかろうか(というかそのものか)と思われます。1985年2月5日に行われた“世界タイトルの前哨戦”。
対大和田正春戦で赤井さんは7ラウンドKO負けを喫したのですが、その際「急性硬膜下血腫」及び「脳挫傷」で意識不明の重体となります。
すぐに病院へ搬送されたのですが「搬送時生存率20%」だったとのことですから、まさに奇跡的に一命を取り留めたことになります。

映画では退院してからの、その後が描かれます。

画像 小諸橋マイルス@歌謡曲生活者on Twitter さんより

赤井さん演ずる安達英志は、それまで世話になったナショナル・ジムには何の恩返しもせず、自分のジムを作り、トレーナーに元日本ウェルター級チャンピオンだった左島(原田芳雄)を採用するのですが、その左島のアドバイスも聞かず、安達はあくまでも自分がやってきたような「ファイター型」の選手を作ることに固執しすぎ。。。という感じで物語が展開してゆきます。

すべては安達の復活劇へとつながってゆくのですが、赤井さん映画初主演とは思えない、イキのいい演技を見せてくれます(^^♪

ボクシングの興行権をめぐっての、美川憲一さんが演ずる北山という謎めいた男とのやり取りも、興味深いエピソードになっています。

原田芳雄さん演ずる元日本チャンピオンが、一歩引いてる感じで、渋くてカッコイイです(^0_0^)


カムバックを決めた後のロードワークのシーンは、音楽が流れるのですが、ホーンセクション(シンセ?)とドラムそれにベースがとてもカッコよくて、見ているこちらも心拍数が上がります(笑)まさに「ロッキー」と同じパターンなのですが、単細胞な私は、つい拳に力が入ってしまいます・・。


画像 小諸橋マイルス@歌謡曲生活者on Twitter さんより

この作品を魅力的な物にしているのは、ひとつはやはり赤井英和さんの存在感だと思うのですが、私的にすごく魅かれたのが、ナショナル・ジムのオーナー(麿赤児)の娘であり、安達の幼馴染である貴子(相楽晴子)のキャラクターです。

男まさりで気が強く、いつも安達とケンカばかりしているのだが、実は安達のことが好きで、心配でならない・・というキャラクターに相楽晴子さんがとってもハマっています(^^♪「当たり役」というのはこういう事を言うんじゃないか、と思うほど(^0_0^)この映画を見て俄然ファンになっちゃいました。
ベリー・キュートです(^^♪

何かのテレビ番組で見たのですが、現在は相楽さんは外国(ハワイかな?)に住んでらして、ほとんど映画とかには出演されていないとのことですが。。。

あと、気付いたのは、映像の色調が「やまぶき色」っぽいシーンが多い、とでもいうのか、とても暖かみがある色調の作品だなと、思いました(ファイトシーンは別として)。

画像 小諸橋マイルス@歌謡曲生活者on Twitter さんより

最初この作品を観てる途中は、阪本監督はいったいどうやってこのストーリーを締め括るのだろう?と、思って観ていましたが、ファイトシーンにも迫力があり、最後は、とても示唆的で、観る人それぞれに解釈は委ねられる、という感じになっています。。。相楽晴子さんがここでもイイんだな~(T_T)

エンドロールに原田芳雄さんが歌う「Don't Worry」という曲が流れます。作品の余韻を感じさせる、とてもカッコイイ曲です。この曲はオープニングの安達がまだ子供だった頃の映像にも、イントロがかぶるのですが、初めて観たあと、CDを買ったのを憶えております(^0_0^)歌詞の内容が、主人公の安達英志、ひいてはそれを演じた赤井英和さんに贈られているような感じがします。

映画で使われたものとは若干サイズやアレンジが違うのですが

原田芳雄「Don't Worry」

これを聴くと、映画の感動が蘇ります。。。

 

 

 

ヒッキー的満足度★★★★