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第88回全国高校サッカー選手権大会 静岡県大会決勝T1回戦 2009.11.14(Sat) 10:30KO (40分ハーフ) 会場:アウトソーシングスタジアム日本平 観衆:300人(目測) | ||||
清水東高校 | 1 | 1-0 | 3 | 加藤学園暁秀高校 |
0-3 | ||||
得点者 玉置達彦(PK) | 時間 39分 60分 66分 69分 | 得点者 関口健 江本匠 江本匠 |
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試合前はバケツをひっくり返したような大雨が降り試合開催が
果たして出来るものかと思ったが、会場入りまでには雨は止む。
しかし、ロングボール攻撃が身上の暁秀にとってスリッピーな
ピッチコンディションはかなり不利になるだろうと当初は予想していたが・・・。
暁秀スタメン4-3-3
GK 1村松英直(3年)
DF23川口滋(1年)
4桜井慶樹(2年)
2関口健(3年)
20川口将広(2年)
MF18後藤逸人(2年)
13岩崎誠(3年)
16江本匠(2年)
FW 7竹中義能(2年)
9鈴木涼平(2年)
10佐藤歓大(3年)
10佐藤 9鈴木 7竹中
16江本 13岩崎 18後藤
20川口航 2関口 4桜井 23川口滋
1村松
暁秀・選手交代
41分 7竹中 → 12久保田裕貴(3年)
79分 16江本 → 5加藤良輔(1年)
清水東・スタメン4-4-2
GK17高木(2年)
DF 2井上(2年)
16野川(2年)
23山崎(1年)
5鈴木海(2年)
MF 7増田(2年)
3鈴木俊(3年)
6荒井(3年)
12澤根(2年)
FW 9塩谷(3年)
10玉置(3年)
10玉置 9塩谷
12澤根 6荒井 3鈴木俊 7増田
5鈴木海 23山崎 16野川 2井上
17高木
清水東・選手交代
72分 12澤根 → 11大島(3年)
74分 6荒井 → 8滝戸(3年)
システムは暁秀は中盤を省略した4-3-3
清水東はサイド攻撃を重視した4-4-2
なお清水東は選手名鑑を見るとジュビロ沼津出身者が
比較的多く在籍している。
スタメンでは9塩谷、7増田がジュビロ沼津の出身である。
前半は試合開始当初から清水東が飛ばしまくる。
特に清水東の7増田の突破は驚異的で
暁秀はドリブラーの18後藤が16江本とポジションチェンジを
したときなどはギャップを作られてピンチを作られていたと思う。
10分の清水東・増田の好クロスから12澤根の決定機は枠の外。
17分の清水東FKからのヘッドもバーの上など増田がボールを持つと
即暁秀ピンチのムードになって見ている方としてはハラハラしてしまう。
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(24分、暁秀9佐藤の決定機のシーン)
対する暁秀も先に述べた後藤の20分のドリブルシュートは相手GKの
好守に阻まれ、24分には後藤のドリブルから9鈴木へパス、鈴木の
決定的シュートもGKのファインセーブによって弾かれるなど暁秀の
攻撃陣も「この一発が怖い」と相手に思わせるには十分の出来。
しかし9鈴木にとっては、ここで先制点を奪っていればもっとチームを
楽に出来たのかも知れない。
だが、前半も半ば過ぎると清水東ペースに。26分にはボランチの位置から
左に流れた6荒井の好クロスから12澤根のヘッド(バーの上)。
34分にはゴール前での混戦からゴール前でのふわりと浮いたこぼれ球を
6荒井がダイレクトボレーを放つも僅かに枠の外と暁秀にとって危険な時間が続く。
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このまま0-0で折り返してくれれば・・・と祈るような気持ちで見ていたが
前半残りあと2分に暁秀13岩崎がPA内で清水東選手を倒してしまう。
岩崎はこのファウルがイエロー2枚目となり退場。
このPKを清水東10玉置が決め、清水東の1点リードで折り返し。
清水東を相手に1人少ない10人で後半を戦い、しかも1点のビハインド。
静岡東部の並の高校であったなら、この状況はかなり難しいと言わざるを得ない。
後半はボランチ岩崎が退場したため7竹中に代わり12久保田を真ん中の
ボランチに入れ、4-3-2の形にした暁秀。
清水東は相手が10人になったため、より優位にボールをポゼッションできる
ようになり、開始10分位までは数々の決定機を作るがシュートをふかしたり
暁秀GK村松のビッグセーブなどで中々ゴールを割ることが出来ない。
特に50分の7増田のクロスから6荒井のシュートは決定的だったが
ボールはバーを越えてゴールならず。
これを凌いだ辺りから暁秀は清水東が両サイドがガンガン上がって裏のスペースが
空いている点に注目し、そのスペースへボールを送り込んで
カウンターのチャンスを作り出してくる。54分には16江本が右サイドから
切れ込んでシュートを放つもサイドネット、55分にはカウンター1発から
9鈴木がGKと1対1になるもシュートをふかしてしまう。
ただしやられる方としては綺麗に崩す清水東よりも風上からキック&ラッシュを
仕掛ける暁秀スタイルの方が脅威に映ったのかもしれない。
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(同点ヘッドを決め、歓喜の疾走の暁秀2関口(右))
61分、暁秀は16江本のFKから2関口が値千金のヘッドで同点!!!
続く66分には江本のPA右付近からの直接FKが強風に煽られて飛距離を伸ばし
清水東GK高木の目測を誤るミスも手伝って2点目のゴールとなり逆転!!!
さらにその3分後の69分は暁秀のカウンターから16江本DF裏へ通す
スルーパスを送る。これに反応した暁秀の選手(9鈴木か)が詰めて絡んでいた
こともあったけど清水東はDFとGKがこのパスの処理をミス。
ボールはコロコロと無人のゴールに吸い込まれ暁秀が3-1と突き放した!!
清水東サイドからみれば、ありえないようなミスが立て続けに起こり
信じられない思いになったことだろう。
その後は焦って陣形も間延びし、チグハグな攻撃となった清水東を
暁秀DF陣がよく抑える。
特に目を引いたのは清水東7増田を抑えた暁秀20川口将の運動量の多さ。
とにかくボールホルダーへのチェックが素早く、終盤になってもどこにそんな
体力が残っているのだろうと驚くばかり。
それと清水東のサイドが前掛りになったため16江本と18後藤がサイドで
フリーで攻撃の基点となれたことも大きかったと思う。
もちろん後半アンカーを務めた12久保田や身体能力の高い4桜井、2関口の
両CBの働きも忘れてはいけない。
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3点目を奪ってからは、後輩や駆けつけたOBの声援に支えられた暁秀が
凌ぎきる形で逃げ切り3-1で清水東を撃破。
スタジアムに吹く強風、スタンドの応援、相手のミス等の要素もあったけど
何より選手たちの最後まで諦めないファイティングスピリットが
勝利を呼び寄せたといって過言ではないはずだ。
これぞまさに「暁秀魂」
次の相手は清水商業。ここもまた強敵だ。
しかし、どんな強敵でも、恐れるものは何も無いのだと。
観る者の魂すら震わされる熱きフットボール。
草薙の地で、勝利の喜びに沸く彼らの姿をオイラはまた見てみたい。
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