ナス科、Solanaceae、ヒヨス属、南ヨーロッパ原産、1~2年草、もしくは多年草、
学名:Hyoscyamus niger、
和名:ヒヨスニジェール、
英名:Henbane、Black Henbane、Stinking Nightshad、葡名:Meimendro、
2020年6月17日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で地方で撮影、
ヒヨスキアムス・ニジェール Hyoscyamus niger の花。丸みのある星型の花で、色は黄味がかった淡いグリーン。草丈は40cmくらい。腺毛は多く、茎は直立し、下部は木質化する。
ヒヨスは、マンドレイク、ベラドンナ、チョウセンアサガオ等の植物と組み合わせて、その向精神作用を利用して麻酔薬として歴史的に用いられてきた。向精神作用としては、幻視や浮遊感覚がある。ヒヨスの利用は大陸ヨーロッパ、アジア、中東で始まり、中世にはイギリスに伝わった。
古代ギリシャ人によるヒヨスの利用はガイウス・プリニウス・セクンドゥスによって記録されている。この植物は Herba Apollinaris と記述され、アポローンの神官によって神託を得るのに用いられた。
ヒヨスには毒性があり、動物なら少量で死に至る。henbane という英名は1265年まで遡る。語源は定かではないが、"hen"はニワトリという意味ではなく、恐らくもともとは「死」を意味していた。ヒヨスの葉や種子には、ヒヨスチアミン、スコポラミン、その他のトロパン・アルカロイドが含まれている。
人間がヒヨスを摂取した時の症状には、幻覚、瞳孔散大、情動不安、肌の紅潮等がある。また人によっては頻脈、痙攣、嘔吐、高血圧、超高熱、運動失調等の症状が表れることもある。全ての動物が毒性の影響を受けるわけではなく、ヨトウガ等のチョウ目の幼虫はヒヨスの葉を食糧としている。ハムレットの父の耳に注がれたヘベノンという毒物はヒヨスのことであると考えられている。(ただし他の説もある。)11世紀から16世紀にホップに代用されるまで、ヒヨスはビールの原料として風味付けに用いられてきた(例えば、1516年のビール純粋令では、ビールの原料として麦芽、ホップ、水以外の使用が禁じられた)(wikipediaより)ヒヨスキアムス・ニジェール Hyoscyamus niger でした。
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(GKZ植物事典より) 和名は、属名の Hyoscamus の音読みからの転訛と言われている。属名は、ギリシャ語の hyos(=豚)と cyamos(=豆)の合成語から。種小名は「白色の」の意。
ヒヨスキアムスはナス科の1~2年草である。草丈は50㎝程度となる。茎は直立し、基部では木質化する。葉は長さ4~10㎝程度の広卵形~三角形状で縁には浅い欠刻があり、基部では長さ1~5㎝程度の葉柄に連なり茎に互生する。葉も茎も繊毛が密生し、触れるとべたつく。5~7月頃、茎頂或いは枝先に白色~クリーム色で漏斗形の花をつける。花冠は5裂する。花冠の径は3㎝程度で、花冠は5浅裂する。花冠喉部には緑色の模様が入る。本種には強いアルカロイドを含まれる。本種は、古代から麻酔薬として用いられてきた。また、幻覚作用をもたらすことから、シャーマン等が祈祷時に用いられたりもしてきた。(GKZ植物事典より)