あべっち(阿部啓一郎)が俺とススムさんの隣部屋に来た年の夏の出来事。
すっかり膝の骨折が良くなった啓一郎やったけど、
静養という名の追っ払いを喰らい、
田舎のばあちゃんの家に預けられた。
当然、
ひとりで田舎に行くはずのない啓一郎は、
弟のアベケイ(阿部啓介)と従兄弟のケイシロウ(FK)を呼びつけることにした。
田舎のばあちゃんのところは、
よくスズメバチが出るんやけど、
いつも啓一郎が数匹駆除してくれるので、
ばあちゃんは喜んで、
一匹のお礼金を5千円計算して、
啓一郎に支払うんやった。
ただ、
ケイシロウ(FK)は不審に思っていた。
数年前に、
近所のおじさんと二人でスズメバチの巣を燻して壊し、
その際に、
相当な数のスズメバチを主のみもとに送ったはずなのに、
どこにスズメバチが潜んでいるかわからなかった。
それで、
ケイシロウは小型デジタルカメラを持って啓一郎を見張っていた。
そうとは知らない啓一郎は、
冷凍庫のアイスキャンディの箱から、
小さく丸まった綿を3つほど出して、
アイスキャンディの箱は元の冷凍庫に戻し、
3つの丸まった綿を床に置いた。
そしてそれを注意深く開くと、
スズメバチの死骸が出てきた。
綿をポケットに入れた啓一郎は大声で、
「ばあちゃん!スズメバチ退治したぜ!」と大声出した。
ばあちゃんは喜んで駆けて来て、
啓一郎に5千円の3匹で1万5千円を支払った。
啓一郎は喜んで金を受け取って、
外に飛び出して行った。
1週間後、
啓一郎が5匹のスズメバチの死骸を前に、
「ばあちゃん!スズメバチ退治したぜ!」と大声出した。
ばあちゃんは急いで駆けて来て、
啓一郎の後頭部を掴み、
壁に叩きつけた❗️
(壁ドンならぬ壁ゴン😳)
すぐに、
ケイシロウ(FK)と啓介がニヤニヤ😁しながらデジタルカメラとパソコンを持ってきた。
啓一郎はケイシロウを睨み、
「ばあちゃん!この写真はケイシロウが細工したんだよ!」と言い訳した。
するとケイシロウが啓一郎の後頭部を掴んで、
壁に叩きつけた❗️
(2度までも壁ドンならぬ壁ゴン😳😳)
啓介が冷凍庫から証拠のアイスキャンディの箱を持ってきたことで、
この啓一郎のハッタリは白日の下となった。
この日から、
啓一郎はオオカミ少年に加え、
スズメバチ少年とも呼ばれ、
正式には、
ケイシロウ(FK)と啓介によって、
スズメバチの遺伝子を持ったオオカミ少年と呼ばれるようになった。