ミズキという歯科衛生士の女がいた。
勤めていた歯科医を辞めたばかりで、
見知らぬ土地へと引っ越しして、
新しい歯科医の勤め口を探していた。
と、
散歩がてらに、
視界に歯科医から、
歯科医師が出てくるところが目に入り、
ついついミズキは、
この歯科医師と、
長話したんやった。
歯科医師の話しでは、
自分のところは、
歯科衛生士がすぐ辞めるということやったので、
ミズキは、
自分は求職中の歯科衛生士だと語った。
歯科医師は、
明日から自分のところに来なさいと言ってくれたので、
ミズキは、
新しい勤務地を与えた歯科医の守護聖人アポロニアに感謝した🙏
翌日。
広くて綺麗な歯科医院に驚くミズキは、
年増の歯科衛生士の女から、
勤務についての説明を受けた。
歯科助手が患者を診察室に入れたので、
ミズキは、
歯科医師の助手を務めた。
治療が終わると、
先の年増の歯科衛生士が来て、
患者に、
歯の磨き方を教え出した。
が、
この年増の歯科衛生士は、
指導がやたら細かく、
腕の角度と歯ブラシの位置を、
電子分度器で測り、
親指の付け根を、
歯ブラシの下から30センチにあてろとか、
ガナり出すんやった😳
ミズキはちびっと驚いてしまった!
次に、
歯科助手の「エイタくん」という声とともに、
診察室入口から、
12歳くらいの男の子が、
デカい乳母車を押して入って来た。
乳母車の中には、
ベビー服におしゃぶりした小太りのオヤジが、
ガラガラ鳴らしながら、
「うーうー」言っていた。
12歳の男の子が、
オヤジの歯🦷がうすきだした次第を説明した。
年増の歯科衛生士が乳母車のオヤジに、
「エイタくん、あ〜ん!」と言うと、
オヤジは、
「うーうー」言うて、
ガラガラ鳴らして拒絶した。
と、
そこに、
乳母車の中から、
スマホ📱の着信音が鳴った。
オヤジはぶ然とした表情でおしゃぶり外して、
スマホの応答ボタン押して、
「ナンや😠❓」としゃべり出した。
そして相手方の話しを聞くと、
「ファイルが見当たらんってどう言うことや😡⁉️お前、屋上から突き落とすぞ🤬‼️こら‼️」と怒鳴り出し、
気持ちを落ち着かせて、
「今、子供と歯医者に来とんや❗️後で連絡カマせよ、おんどれ!」言うて、
通話を切った。
そして再びおしゃぶり咥えて、
ガラガラ鳴らし、
「うーうー」言うんやった。
ミズキは結構驚いた😳😳
新しい歯科医院での一日は慌ただしく過ぎて、
診察終了となった。
と同時に、
歯科医師がユニット(歯科医院の治療用の椅子)に座ったので、
ミズキが怪訝に見守っていると、
年増の歯科衛生士が、
「先生は歯槽膿漏なのよ。前の院長先生が来るから、サポートしなさい」と言った。
すると、
黒い遮光眼鏡に白杖ついた視覚障害の前院長が入って来て、
年増の歯科衛生士のサポート通りに、
歯科医師の歯槽膿漏の治療を始めた。
ミズキは驚天動地に驚いた😳😳😳