ナルオという高校生がいた。
ナルオの住む家には、
ずっと使われていない空き部屋があり、
この部屋に、
一度も開けられたことのないドアがあった。
ナルオは物心ついた時から、
両親に、
あのドアを開けたら駄目か😦❓と問うと、
決まって両親は顔を曇らせ、
「開けん方がええやろ」と呟いて、
すぐに話題を変えるんやった。
そんなナルオが13歳のとき、
ナルオの母は、
難病の為、
病室にて、
最後の時を過ごしていた。
その際、
母親はナルオに、
「あのドアだけは開けないでね」と言い、
蓮の咲いてるところに旅立った🙏
あれから4年。
17歳のナルオは、
あの空き部屋のドア🚪から、
どうしても、
気が移ることはなかった。
ある日、
誰も家にいない時、
空き部屋に行って、
ドアを開けようとしたら、
ちょうど、
父親から、
スマホに電話が入った。
父親は、
「何してる?」と問うので、
ナルオは、
アカペラでRADWIMPSの「前前前世」を歌い出した。
父親は、
「上手いな!」とほめて、
「あのドアを開けるなよ」と言って、
電話を切った。
それで、
テンション下がったので、
ナルオは自室に戻った。
時が180日過ぎる。
その日、
父親が脳梗塞で倒れたので、
救急搬送された。
ナルオは、
病院で父親の無事を知らされ、
帰宅した。
自室でパソコン💻ゲームしてたが、
集中出来ない😦
なぜなら、
あのドアを開けるチャンスは今しかないと、
ついつい思ってしまうからやった。
が、
ナルオは煩悶した。
煩悶して煩悶して、
ティッシュ片手に悶々した後、
空き部屋に向かった。
そして、
あのドアの前に立つナルオは、
心臓バクバクに緊張しつつ、
口呼吸しながら、
ドアを開けた。
そこには、
ただの壁だけがあった。
そして、
こう、
張り紙されていた。
『ここを開けたキミに問う。
ここに壁の他何かあるか?
ここを開けて、
何か変わったか?
1分は60秒。
1時間は60分。
1日は24時間。
1年は365日。
そばを食うよりも、
うどんの麺の方が太いから腹がふくれる❓
パスタ食うよりも、
マカロニの方が太いから腹がふくれる❓
ここを開けたキミ。
もう、
現実はわかってるんだろ❓』
ナルオは何度も何度も、
この張り紙に書かれた文字を読んだ後、
ドアを閉めて、
自室に戻り、
パソコンゲームを再開した。
翌週、
父親が退院した時、
ナルオは、
思いきって父親に、
あのドア🚪を開けたことを話した。
父親は無表情に頷いて、
「ふうん。それで、なにか見つかったか?」と尋ねた。
ナルオはスマホを出して、
YouTubeの、
ナードマグネット「僕は知らない」のLyric動画を出して、
曲に合わせて歌詞見ながら歌い出した。
父親は無言で聴いていた。
ナルオは歌いながら、
席を立って、
自室に戻った。
しばらくして、
父親が入ってきた。
そして、
自分の思い出話をした。
それは、
父親が13歳のとき、
夜道でヤンキーたちに囲まれた。
集団でボコられようとされたとき、
一人の高校生が来て、
ヤンキーたちにお叩き入れて、
父親を助けた。
その高校生が無言で去ろうとしたとき、
父親は、
名前を教えてくださいと頼んだ。
高校生は言った。
「オレはレオ!上から読んでも下から読んでも、右から読んでも左から読んでも、オレはレオ!」と答え、
そのまま歩き去った。
父親はナルオに言った。
「俺もお前も壮大な人生という名のパズルのワンピースやけど、ワンピースやからこそ、完成させる為に、絶対にいるもんや。アニメのONE PIECEもハヨ終われハヨ終われ言われてるけど、本当に終わったら、ナニカ物哀しくないか?」、
と。