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静かな岸辺

2022-12-18 22:19:00 | 日記




暖かな日差し降り注ぐとある岸辺。
ここで、
7年前に、
若いカップルが、
泥酔して岸から落下して、
そのまま帰らぬ人となった。

七回忌のその日、
牧カオリが、
潮風に吹かれて瞑想しようとしてやって来た。

牧カオリは、
職場にあって、
数人の同僚の中から、
昇進候補の一人として過ごしていたが、
他の候補に破れ、
昇進の夢は消えた。
牧カオリは思った。
人生はUFOキャッチャーのようだ、と。

そんな時、
この岸辺に、
二人の寺の坊主が姿を現した。
牧カオリは悟った。
亡くなったカップルの宗派が互いに違うことを。
牧カオリは、
寄せては返す波を見つめ、
生と死の二重合奏になる、
人生という名の海の厳しさを想った。

そんな時、
牧カオリに悪寒が走った。
岸辺の遠方に、
チャリを止めているレフティがいたからや。
レフティの眼差しも岸辺に注がれていた。
牧カオリの胸に、
ナニかが起こるという一抹の不安がよぎった。

一方岸辺では、
真下の海の波が穏やかになっているところやった。
二人の坊主は、
経文持って一礼しようとしたら、
いきなりの強風に驚いて、
互いに額をぶつけてしまった。
そして、
二人は頭を押さえて後ずさったので、
岸辺から海に落下した!

一部始終を見ていた牧カオリは、
顔面蒼白になった。
そして思わずレフティの方を見ると、
チャリをこぎ出して、
走り去っているところやった。
牧カオリはおののきながら、
「アイツがいたら、なぜ、誰かが落下するの😧❓」と独りごちた。

一方レフティは、
この出来事をノブミツに語った際に、
「死んじゃったカップルは直接海の中で拝んでもらいたかったんだよ」と言うと、
ノブミツは、
「たまたまデコを当てて海に落ちただけだろ」と言い返した。





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