
とある地にあって、
かつて、
血も涙もない暴走族に苦しめられた過去があった。
が、
この暴走族たちは、
警察の取り締まりの中で、
衰退して、
解散させられた。
その悪夢覚めやらぬある日、
かつての暴走族の頭の呼びかけで、
エエ歳になってるにも関わらず、
暴走族メンバーが集結して来た。
そして、
バイクで風のように駆け抜けて、
走る邪魔をする者はムエルト(スペイン語で死の意)対応を宣言した。
今、
この極悪暴走族達が息を吹き返そうと、
バイクのエンジンを空ふかしていたところに、
警察官の御那和右近(おなわうこん)がやって来た。
暴走族の頭は御那和右近(おなわうこん)に、
「おまわり!邪魔したら殉職するぜ!」と凄んだ。
御那和右近(おなわうこん)は、
殉職する前に話したいことがあるからしばらくエンジンを止めるように暴走族の頭に言ったので、
暴走族の頭はせせら笑いながら、
「遺言か⁉️」と言い、
メンバー全員にエンジンを止めるように呼びかけた。
御那和右近(おなわうこん)は静かになると、
「お前らの勇気には恐れ入る。なぜなら、きょうは、仏滅と不成就日と受死日と十方暮に滅門日が重なるあり得ない超凶日やからや」と言い、
これらの凶日の意味を説明してあげた。
★仏滅(ぶつめつ)
悪いことばかり起きる日
★不成就日(ふじょうじゅにち)
仏滅以上の凶日❗️
★受死日(じゅしにち)
葬式以外はナニをしても大凶の日
★十方暮(じっぽうぐれ)
10日間続くナニをしても大凶になるもの
★滅門日(めつもんにち)
悪日の中の悪日
暴走族の頭とメンバー達の顔色が変わった。
そして悟った。
かつての暴走族を結成したあの頃は失う物はなかった。
けど今は、
失うものが多すぎる。
それで、
ひとりひとりがバイクで帰り、
最後は頭も帰った。
御那和右近(おなわうこん)がひとりだけ取り残されているところに、
上司の長谷川半七(はせがわはんしち)が現れ、
「まさに見事だ!」と褒めた。
御那和右近(おなわうこん)は軽く笑い、
「いつも私は犯罪からは避けられておりますな」と言った。
この状況を近くで見ていた牧カオリはこう言った。
「かつては江戸幕府に希望の見えない旗本達が馬に乗って城下町を暴れ走っていたが、今では現代社会に希望の見えない平民達がバイクに乗ってかつての城下町を暴れ走る。いつの世も時代の息苦しさがそこに生きる者を駆り立てて走らせるのね」
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