大名はおしなべて金繰りが苦しくて商人に借金をしていたようでその見返りに便宜を図ったり、武士身分を与えたり、そうした大名家と商人の交渉過程を事細かに記録した文書が今になり発見され解明されている。
江戸時代の古文書古記録からそれを素材として藩の公文書から歴史の復元をおこない、武士の系譜記録する由緒書、主従関係の故事之部、家老の存在、儀礼、献金百姓などについて知ることが出来たことは有意義だった。
また日記からは当時歯医者は存在せず歯抜き師、入れ歯師が存在し、オーダーメイドでツゲの木を使って義歯を作っていたなど興味深い。
遺言状は当時は長男が相続する長子単独相続性で、遺言は殆ど必要性が無かった、しかし商家では蓄財で遺産紛争予防策として生前に遺状を町役人に保管させることが義務付けられていた。そうした事から残された家族に残す家訓のような形態のものに発展した。
ロンドン、パリなど世界の3大都市に入る江戸はその中でも人口は一番多く、更にエコノミーな資源循環型社会でもあり、古着、食品、継ぎ屋等、屎尿取引、家、船などの全ての物を再利用する事で余分なゴミを出さないエコな今で言うSDGs社会であった。
町家や武家の屎尿を百姓が買い取り処理する事から他国の先進都市に比べてずっと衛生面で清潔な都市でもあった事は意外だった。講師の先生が自ら足で調べた古文書を読みくだし、それに当時の社会機構や風習などを加えて分析解明した事実は興味深く知り得なかった歴史史料として貴重なものだった今後更に研究を進め未だ解明されていない部分を解き明かし後世に残して欲しいと思った。
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