父と叔父は共に福島から出征し中国大陸で戦死しているが昨夏、で厚労省が新聞に掲載した広告から戦没者遺族弔慰金が存続されている事を知りすぐに申請し、半年後5年償還の国債で受給した。夫(私の実父)を亡くした母は既に父の分を受けていて、また独身で亡くなった叔父の分は愛知県に住む伯母が受給していた。
その伯母が数年前に亡くなり甥の私が代わって受給者となり申請をしたもので国債の交付を受け、父や叔父の命の対価とも言うべき貴重な弔慰金の使途を考えてみた。
父や叔父等兵士が異国で幾度となく夢に見たであろう祖国への生還が叶わず、しかも骨壺に遺骨さえ無い形だけの帰国に祖父母や母の悲しみは如何ばかりか想像に難くない。
戦後80年も経ちこうした戦禍が忘れ去られようとし世界各国で戦禍に苦しむ人が後を絶たない今、戦地で家族を守る為必死に戦い家族を想いながら亡くなった兵士の無念さを想う時、同様に80年前祖国への帰還を果たせずに本国からの食料や弾薬も尽きて餓死状態で斃れざるを得なかった兵士等の無念を忘れ去せず後世に残すのが遺児としての務めであり、次の世代まで戦禍の悲惨さを伝承したい思いで昨年父と叔父の兄弟慰霊像の建立を決意し先祖の墓近くに慰霊像を建立した。台座には英霊ら全てが渇望したであろう平和の象徴、白い鳩を刻み。いまだに各国で続く戦闘による犠牲者を無くすべく後世への永く遺言として残すべく石像を建立した。
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