土曜日曜は放送大学の面接授業だった。授業のテキストは「日本近代短編小説選明治期2」で寺田虎彦の団栗や、大塚楠緒子の上下、小栗風葉の世間師などを読み明治期の時代背景、明治5年の学校令により全国で小学からの義務教育が始まり旧制中学校・旧制高等学校が開かれ、大学としては東京に、東京大学唯1校だけ設立されその後学区制に基づき全国各地に5大学が設立され、一部のエリート達が高等教育を受けた。そうしたエリートたちはイギリス・フランス等海外の大学に留学して更に高い学問を身に着け帰国し、夏目漱石のように大学の教壇に立った。
その間の教員はラフカディオ・ハーン(小泉八雲)のような外国人らが教壇に立ち教鞭をとった。立身出世主義の世で勉学で世に出て出世することが男子には求められ女子には門戸が開かれていなかった。女子は良妻賢母を育てるべくカトリック系の女学校での教育がもっぱらでずっと後になって男子同様に門戸が開かれた。
日本初の女子学生を受け入れたのは東北帝国大学理科大学である。
講義では貴族など一部の上流社会の人と車夫など下層階級の人の生活実態を描き、また世間師と言われるテキヤ(露天商。香具師)の世界を作者自身の実体験から描き、世間を渡り歩きながら自由気ままな生活を送る人々などをテーマにして世相を描いている。そこには洒脱さ義理人情の世界や、野暮な世界へのアンチテーゼに溢れ、義侠心など現代社会には希薄となった世相が垣間見られ寅さん映画のノスタルジックな思いを抱かせられる。
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