心
「忘」が字の心激しく揺れをりて 其下が字の「心」清しく 丹人 「心」は是 心臓の...
生
絶望の娼婦に生きるべしと説く絵ありき華岳「裸婦図」なりけり 丹人 昨日 十一月十一日...
圭
三笠山に行行と立つ松間より淡土色の堂塔の見ゆ 丹人 けふ 月数十一にして...
風
「プラタナス舞う冬の道」とふメロディの耳が底より聞こえ来たりぬ 丹人 空に雲ひ...
塔
議事堂の威容に上がる歓声を背に見上げれば眩しその塔 丹人 けふ業務ありて...
酔
色あかき七福神に護られて手酌うれしく飲む河童かな 丹人 酒飲みの詩といへば...
立
木々の作すV字が谷に陽の見へて冬立つけふの風吹き行けり 丹人 けふ立冬なり ...
紅
はなびらの縁の紅きを裏にして真白に咲けるオキザリスかな 丹人 オキザリス...
満
わたつみの豊旗雲に入日さしこよひの月夜あきらけくこそ 天智天皇 渡津海乃豊旗雲爾...
法
白川静博士の御冥福を祈りて詠める 友部丹人 もみじ葉の散り...