ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

レディ・キラーズ

2008年04月07日 | ネタバレなし批評篇
ひねくれた終わり方をする映画だなぁと思ったら、やっぱりね、コーエン兄弟の作品でした。一見すると、アメリカ南部の平和な田舎街に突然あらわれたインテリ泥棒教授(トム・ハンクス)一味が、信心深い一人暮しのバアさま(イルマ・P・ホール)を騙して、まんまとカジノの預り金強奪に成功するコメディにみえる。しかし、いつもながらの不確定性原理によって泥棒一味が次々とゴミ処理場送りになるシークエンスは、まさにコーエン兄弟ならではのダークな落とし方?だ。

まあ、あまり考えずに単なるブラックコメディとして見ても十分堪能できる作品であるが、それなりに深読みできる映画でもある。泥棒一味の死体が行き着く河の中州に浮かぶゴミ処理場がまるで<天国>のように描かれており、(はじめの意図はどうであれ)結果的に大学に多額の金を寄付するという善行を施すことになった泥棒一味が、結局その<天国>送りになってしまったのはなんたる皮肉。「所詮宗教なんて、まやかしさ」コーエン兄弟の毒気に満ちたつぶやきが聞こえてきそうな1本だ。

監督 ジョエル・コーエン(2004年)
〔オススメ度 

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