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私は訪問してリハビリを提供する仕事をしています。
今日は担当しているご利用者の介護保険の目標の更新があり各サービス提供者が集まる会議がありました。
その方は3度の脳梗塞の既往があります。
身体はほとんど後遺症はありませんが、高次脳機能の低下がみられます。
83歳男性です。
希望は車の運転の再開です。
もうすでに主治医から乗る事は難しいと説明を受けています。
息子さんも車の運転には断固反対されています。
本人は今日の会議でも「まだ諦められない」と言われました。
各担当者は息子さんから諦めるように説得して欲しいと事前に頼まれていました。
それぞれが運転が難しい理由を説明します。
タクシーや公共の乗り物、シニアカーなど代替手段の提案も行われました。
しかし、諦められない様子です。
堪忍袋が切れたように息子さんは声を荒げて「いいかげんにしろ!」
本人も「なんで〇〇(息子さんの名前)は応援してくれないのか!」と喧嘩のようになりました。
私はハッとしました。
この方はたしかに現状理解が乏しく(そこが障がいでもある)運転は行わない方がいいと思います。
しかし、勝手に乗ることはしません。また、主治医の所に何度も足を運んで許可を取ろうとしています。
つまり、この方は主治医がゴーサインを出さない限り運転をすることはないのです。
本人は乗りたい気持ちが一番表層に現れていますが深層では共感して欲しい、本人が言葉に出されたように応援して欲しいのだと感じました。
息子さんと本人の関係性の詳細は分かりませんが、息子さんも表層ではリスクや心配をあげていますが、深層では父と息子の関係性の問題に起因する何かがあるのではないかと感じました。
私は担当者会議の後、息子さんと2人きりになり、運転が危険である事を伝えるのは私達医療介護従事者に任せて家族は応援にまわることを提案しました。
(もちろん感情に任せて運転をしないように配慮は必要です)
そうすることで家長としてのプライドを傷つけることを避けながら、専門家に駄目だと言われ続けて少しずつ諦めがつくように思います。
家族関係は長年培われてきた関係性が複雑に絡み合います。
病気になり支えが欲しい気持ちを素直に伝えることができない父親と
父親に正直な感情をぶつけてこなかった(推測ですが)ことで素直に応援できない息子が車の運転というテーマで衝突しました。
衝突を繰り返すと自暴自棄になりいいことはありません。
第三者が介入することが難しい問題ですが、心配してくれる息子を、弱っている父親を認め合うことが解決の一歩目であり最終目標でもあると思います。
高齢者の車の運転問題は本当に難しいです。
私の住んでいる田舎では車がないと困ることがたくさんあります。
車の運転は特に男性に多いですがプライドとリンクされている人も多いです。
従って、タクシーが無料になるなど制度化されても解決できないケースはありそうです。
とはいえ自動運転などハード面とタクシー無料化などソフト面でサポートするしかないと思いますが…。
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