言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

認知症予防について

2021-12-04 09:47:00 | 伝えたいこと
昨日は認知症予防の講習を受けてきました。

2020年で65歳以上の人口が29.1%です。

そのうち認知症の方が17.9%います。

要介護認定の原因疾患割合の18%を占めて、脳血管障がいを超えました。

今の所根治薬はなく2019年政府は“共生と予防”を対応のスローガンとしました。

【認知の進行】

アミロイドβ沈着⇨タウ蛋白沈着⇨脳萎縮⇨記憶低下⇨日常生活機能低下

日常生活に認知症が影響するまでに段階的に進行していく事が分かります。

認知症の前段階に“軽度認知障害(MIC)”があります。
⇨認知症ではなく、日常生活は自立 認知機能の低下がある


【認知症発症のリスク】

脳の健康度(認知機能検査・日常生活で評価)
健康な人⇨4.7%
軽度低下⇨8.8%
低下⇨ 21.1%

脳の健康度(認知機能)が低下している人ほど発症リスクは高くなります。

つまり、何もしなければMICの人ほど認知症になりやすい事が分かります。

ここで大切になるのが予防です。

軽度低下、低下群が生活習慣の是正、活動性の向上を図ると

4年後に46%が正常に回復したという研究結果があります。

また遺伝子的要因より生活習慣の方が認知症発症に影響することもわかっています。

では活動性の向上とはどれくらいの活動でしょうか。

身体活動(歩数)を計測した研究では
1日2900歩の群と8300歩の群を比較すると8300歩の群にアミロイドβ蓄積抑制がみられました。

また、運動により、神経栄養因子が増加することにより、認知症予防に効果があることも分かっています。

効果がある運動として有酸素運動、レジスタンストレーニング(筋肉に負荷をかける運動)があります。ヨガの効果は不明とされています。
⇨ある程度強度のある運動の方が効果があるようです。

また、『コグニサイズ』といって、運動(可能なら中等度以上の強度)と認知課題(ちょっと間違うレベル)を組み合わせる課題も有効です。例えば

散歩+計算
散歩+語想起
踏み台昇降+しりとり
足踏み+3の倍数で手拍子 等


運動にせよコグニサイズにせよ習慣化が大切です。

直ぐに効果が出ません。

コグニサイズプログラム実施群と未実施群の比較では、

2年では差はないが4年の経過で自立割合で有意差出ています。

人生100年時代に突入しました。

誰にでも認知症になるリスクはあります。

自分が認知症になると想定して、生活習慣を整え運動の習慣化が大切ですね😊

国も様々な取り組みを実施しています。

情報だけでも持っていても損はありません。