
私は訪問してリハビリを提供する仕事をしています。
先日、施設に夫婦で入所されている男性の所へ伺いました。
男性は肺癌末期で余命宣告を受けておられます。
私が訪問すると開口1番に
「先生、今日は遺影用の写真を撮ってください」
と言われました。
私は少し驚きましたが了承しました。
2人で明るいエントランスまで行って撮りました。
撮りながら私は涙が出そうになりましたが、
本人が笑っているのに泣くわけにはいきません。
最高の笑顔を写真に収める事ができました。
「良い写真が撮れた。先生ありがとう。あいつが少しでも寂しくないように撮りたかったのです」
遺影用の写真は遺影だけが目的ではなく、
入院中や死後も笑顔で奥さんを見守りたい気持ちの現れだったのです。
横にいた奥さんも明るく
「遺影だったら背景関係ないのに手間をとらしてごめんなさいね」と笑っていました。
“死”までも自分事ではなく相手のために考えられるお二人に感嘆です。
自分のためより、人のための方が頑張れる。
幸せになれる真髄をみた気がしました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます