言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

顔の認識

2021-06-04 06:31:00 | 日記
私は訪問で言語聴覚士をやっています。

新型コロナウイルスの感染予防により訓練の中断を希望されている人がいます。

私は休みの期間、週に一回は私の顔写真入りの手紙と希望者には宿題をお渡ししています。

なぜ顔写真を載せるかというと失語症や認知症の方で手紙の内容の理解が正確にできなくても

私から手紙が届いたと認識してもらうためです。

人の顔の認識は他の物体の認識より発達しています。

シミュラクラ現象といって、人間の目には3つの点が集まった図形を人の顔と見るようにプログラムされている、という脳の働きがあるほどです。

きっと他者の顔が認識できないと生命の繁栄や危機に対応できないためだと考えられます。

また、脳には人の顔を認識する部位(後頭葉内側)があります。

そこが損傷されると相貌失認といって

他者の顔や表情が分からなくなります。

私達、東アジア人が日本人、韓国人、中国人を顔をみたら大体識別できるのは

言語獲得と同様にベースとなる顔を幼少期にインプットされ、細かな違いが認識できるようになります。

だから欧米人の顔を見ただけではどこの国の人かまでは分かりません。

後頭葉は表情の認識も司ります。

言葉が分からない赤ちゃんは母親の表情を見てコミュニケーションを取ります。

赤ちゃんが一番嫌がる表情は無表情だといいます。

母親が何を考えているか分からないと不安になる為です。

目は口ほどに物を言う と言いますが、伝える側だけでなく、認識する力が備わっているのですね。

男性は女性より共感力が低いと言われていますが、

しっかり顔を見ると相手の気持ちが分かるかもしれません😊



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