言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

嗅覚と認知症

2022-09-23 06:35:00 | 日記
私は訪問してリハビリを提供する仕事をしています。

昨日、2時間有給休暇を取り、娘を皮膚科に連れて行き、息子を保育園へ迎えに行きました。

保育園に入ると独特の匂いがします。

少し甘いミルクのような匂いに動物の匂いを混ぜたような匂いです。子どもの匂いです。

この匂いを嗅ぐと、毎日息子を送り迎えしていた時期を思い出します。

話は変わりますが、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では嗅覚が低下することがわかってきました。

しかも、認知症がはじまる10年以上前から嗅覚が低下し始めることもあるのです。

脳の嗅覚を担当する嗅内皮質は記憶を司る海馬のすぐそばに位置しています。

アルツハイマー病ではタウと呼ばれる異常なタンパク質が神経細胞内にたまることで脳にダメージをきたします。

タウによるダメージは嗅内皮質から海馬へと広がると考えられています。

そのため記憶の障害があらわれるより前に嗅覚低下が起きるのです。

仕事で認知症の方と関わりますが、確かに匂いが分からない方がほとんどです。

匂いと記憶が密に結びついているのも司る場所が近いからと言われています。

匂いが分からなくなると認知症発症のリスクが高い可能性があるので要注意です。

普段は嗅覚を意識して生活しませんが、五感の中で本能に1番近い感覚の嗅覚を使って、嗅覚の感度を確認ついでにアロマやお花など匂いを楽しみたいですね😊


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