TAZUKO多鶴子

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『青山二郎の思い出』…小説家・宇野千代より

2008-06-18 | TAZUKO多鶴子からの伝言
青山二郎の思い出を、
誰もがよく知っている小説家、
宇野千代は次のように綴っている。

「 わたしは沢山のことを教わりました。
 ものを見る眼、
     素直であること。
 自分を空しうすること…。
 骨董についてもいろいろ教わったような気がするけど、
 ただ青山さんは『教える』ということをなさらない。
 自分の眼で見なさい、
     というそれだけでしたね。
 小説を書く上でも、
 青山さんから学んだことは沢山あります。
 公平無私な精神で書く、
     ということ。
 あの人はわたくしの小説を、
 よく出来てはいるがまだまだ、
     と思っていたでしょうね。 」

『青山学院』の卒業生の大半が、
青山から離れていったが、
最後まで付き合っていたのが宇野千代であった。
青山が志賀高原から帰宅し、
要体が急におかしくなって入院した時も、
その病院を紹介したのは宇野であった。
自宅で亡くなった後の密葬の時も、
和子夫人と共に宇野は青山の側にいた。



<参考資料>『陶に遊び美を極める…青山二郎の素顔』
       森 孝一:編
       安藤秀幸:発行者
       (株)里文出版:発行所