TAZUKO多鶴子

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『和魂漢才』と『和魂洋才』と『詩魂商才』

2008-09-04 | TAZUKO多鶴子からの伝言
『和魂漢才』という言葉に対して『和魂洋才』という言葉がある。
その言葉を更に文字って『詩魂商才』という言葉を現代の芸術家に当てはめた文章がある。
今まで何度もご紹介する『青山二郎』の本である。 
今日は又、青山二郎の本からその部分を抜粋して皆様にご紹介します。


……
魯山人も最高ではないが、他の連中が人も作品も引ッくるめて魯山人以下なのである。
……
「あくが強く、商才にもたけていると言ふ噂は恐らく本当だらう」と
天才的に美術の分からない訪問者が言っているが、この点に誰も引ッかかる。
だが、魯山人より常識のある訪問者は、噂は恐らく本当だらうと言って
「広い意味で商才のない芸術家などは現代には生存出来ないので、
佐藤春夫の所謂『詩魂商才』は、現代の芸術家の自衛権とへえませう。(略)
かういふ伝説の中に住んでいられる人は、ともかく非凡な人に違ひない」と見ている。

            …… 青山二郎 全文集 上 より ……



<和魂洋才>
和魂洋才(わこんようさい)とは、日本古来の精神世界を大切にしつつ西洋の技術を受け入れ、両者を調和させ発展させていくという意味の言葉である。これに対して、西洋の技術を受け入れるにはやはり西洋の考え方を基盤とする必要がある、という意味の洋魂洋才(ようこんようさい)という言葉もある。
古くから使われていた和魂漢才(わこんかんさい)をもとに作られた用語。
和魂洋才と言う発想は、明治維新の文明開化以来の「優れた西洋文化と遅れた日本文化」という構図に反発する意味もあった。

<和魂漢才>
日本固有の精神と中国伝来の学問の才。また、日本古来の精神を失わずに、中国の学問を消化し活用すべきであるということ。「和魂」は日本固有の精神のこと。「漢才」は中国の学問・知識の意。


参考資料: 『青山二郎』 全文集 上
     著者:青山二郎
     発行者:菊池明郎
     発行所:(株)筑摩書房

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