「綿から糸を作って織物までを体験したいんですが」
と予約電話をいただいて機材の準備をして待っていると
一人の女性が三河木綿のフルコースにやってきました。
綿繰り作業と綿打ちを終えると紡錘車を使って糸紡ぎをします。
「これ、やってみたかったです」
以前からやってみたかった作業だったようで一生懸命です。
「糸を作るって難しいですね」
”そう、簡単にはいきませんね かなりの修練がいりますよ”
「切れそうで切れない と思ったら切れてしまった」
”均等な撚りのエネルギーが伝わっていれば良いのですが
強かったり弱かったりすると弱いところで切れます”
自分で紡いだ糸を持って機織りが始まりました。
「織物ができる方法がわかりました、こんな簡単な方法で織れるものですね」
”織物の原理は簡単です、経糸と緯糸しか無いのですよ”
ルネッサンス以降は生産機械として筬や綜絖などの部品が
改良された高機などが出来たのち、
豊田佐吉の自動織機や現代の高速織機に至るのです。
この織機は純粋クラフトとして織物原理を学ぶには良い物です。
そんな会話を交わすうちにコースターが出来上がりました。
白いところはご自分で紡いだ糸が織り込まれています。
「自分の糸が織り込まれて素敵なコースターが出来て嬉しいです」
十分な授業が出来たかわかりませんが、楽しい体験ができて良かったです。
おめでとうございます。