世界中から熱苦しく・・・「ふじもん世界放学ブログ」

元「変な学校先生」私ふじもんが、ただ今世界を駆け巡っています!世界の今と僕の魂をお届けしますので、ぜひお読み下さ~い!

【ふじもん世界放浪「放学記」第5章アフリカ編 手紙『拝啓・62の親父へ』】

2013-12-10 06:57:18 | 日記
2013年12月5日。

《アラブ圏の人は、日本人だと言うとだいたい「Japanese good!」と言ってくれる。それは何故なのか、そしてこれからも「Japanese good!」と言われ続けられるように僕たちはどうするべきなのかを考えたい。》

親父へ

親父、元気にやってますか?おかげ様で僕は何の事故もなく、ここまで旅を続けられております。

怪我の具合はどう?僕が日本に帰ったら、骨を戻す手術をする決心が付いたそうですね。かーちゃんから聞きました。それは頼もしい!手術の時は僕も近くにいるから、安心して手術を受けて下さい!

さて、僕は今アフリカのスーダンにいます。数年前に北と南に分裂したこの国は、世界の、そしてアフリカの中でもかなり貧しい国の1つに数えられています。

確かに物質的には貧しいと言えるでしょうね。衛生面もまだまだです。道路も未舗装がほとんどだし、あちこちで糞尿の臭いもする。改善しなければならない点はたくさんあると思います。

そんなスーダンですが、人々は本当に温かいんです。みんな笑顔で「welcome!」と言って迎えてくれる。敢えて言っちゃいますが、エジプトのようなうざさは全然ないんですね(笑)。本当に素朴で、話しているだけで心が温まるような、そんな国民がスーダン人なんです。

スーダン人に「日本から来たんだ」と話すと、ほぼ全ての人が「Japanese good!」と言ってくれます。それは日本人としてとても誇らしいのですが、何故日本のことを褒めてくれるのか?そこが大切ですよね。

ちなみにスーダンに限らず、アラブ圏のほとんどの国は「Japanese good!」なんです。日本に対して好印象を持ってくれています。しかしその要因は、どうやら「日本人」ではないようですね。彼らに好印象をあたえているもの、それは「日本製品」なんです。

「Japanese good!」と言ってくれる彼ら。僕が「何故なの?」と聞く間もなく、彼らは話してくれます。

「日本のテクノロジーは本当に凄い。トヨタ、三菱、ヤマハ、みんな日本製だ。日本の技術は世界一だよ!」

とっても誇らしいですよね。最近は韓国車もかなり入ってきていますが、数で言えばやっぱり日本車が一番多い。もちろん日本製品は自動車だけではないですが、自動車に代表される日本製品を見て、彼らは日本という国を評価しています。

5年前にカタールに行ったときも、それは同じ評価でした。日本人だと言うと、みんな日本製品を引き合いに出して、日本のことを褒めてくれる。それほどまでに、中東、アラブ圏では、made in Japanの影響力が大きいということなんですね。

では、どうして日本の製品がそれほどまでに高い評価を受けているのか?僕はそれを、親父から学びました。

今だから言えるけど、僕は親父が大嫌いだった。「お父さん」なんて思ったことは、もしかしたら一度もないのかもしれない。でも親父が病気で倒れて僕が親父の仕事を面倒見なければならなくなったとき、僕は親父の見方が変わりました。

そしてそこに、日本製品の素晴らしさの秘訣が、とってもシンプルで分かりやすい秘訣が隠されていました。

親父の仕事は、本当に「職人」だった。普段飲んだくれてばかりの親父を見ていて、「このクソオヤジが!」とばかり思っていたけれど、仕事の時は違った。本当に丁寧に、一切の妥協なく仕事をやり抜いていた。僕はその姿に、マジでビビった。

「お宅の親父に任せとけば大丈夫、いい仕事してくれるから。」そう他の会社の方に言われたときは、何だか複雑な気持ちだった。僕は「このクソオヤジが!」とばかり思っていたのに、そんな風に褒められて・・・。でも、それはとっても誇らしかった。

親父、それが日本の「ものづくり」なんですね。

どうして日本の製品が高く評価されてきたか。それは至ってシンプルな秘訣。

「手を抜かず、一生懸命作るから。」

現場では、親父は手を抜いていなかった。一生懸命作っていた。だから親父は、周りからの信頼を得ていた。

手を抜かないものは、やっぱり良いものなんです。一生懸命作ったものは、やっぱり作った人の魂が入り込むものです。僕はそう思います。

他の国をいくつも見てきたけど、こんなに細かく繊細に、1つ1つ丁寧に仕事をする国民は日本人しかいないと思う。だから常に、世界に名立たる製品を排出し続けてこれたんですよね。これは日本の素晴らしい点として、日本人は素直に誇りに思っていいのだと思います。

もちろんこれからの時代は、ただ良いものを作ればそれでいい時代ではなくなるでしょう。「作る」から「創る」にならなければいけないし、もはやかつての資本主義経済の構造を越えていかなければいけない。

しかしそうであっても、日本の精神は必要不可欠だと思います。

「手を抜かず、一生懸命に。」

その精神、その気概は、いついかなる時でもいつの時代でも、必ず必要とされるもののはずです。


親父、あの病気の時、死ななくてありがとう。生きていてくれて本当にありがとう。


親父が生きていてくれたおかげで、僕は日本の「大事なもの」に触れられた。親父のもう1つの姿を見ることができた。

僕は親父の仕事を継ぐわけではないけど、仕事に対するその魂はしっかり受け継ぎます。でも、親父のその家庭への配慮のなさは・・・しっかりと受け継ぎませんからね(笑)!

親父、僕はもう少し旅を続けます。かーちゃんにも言ったけど、今僕は本当に大きなものを学びながら毎日を過ごしてます。

あと数ヶ月、元気に待っていて下さい。まだ死ぬなよ!俺が帰るまで絶対に死ぬなよ(笑)!

より元気になった親父に会う日を楽しみにしています。


2013年12月5日。スーダンののんびりした雰囲気が漂う街・カリマの安宿にて。
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