オリンピックもあと少し、選手達の活躍が気になって仕事がなかなか進みませんでしたが、終わってしまうかと思うと寂しいものですね。最後までがんばれニッポン!
さて、何年か前に懇意にしている方からの紹介で、長野県原村郷土館へN先生を訪ねた事があります。古くからの機織り機を駆使してご年配の方から若い方までに機織りを教えてらっしゃるこのN先生の作品はカラフルでとても美しいものでした。この写真に映った機織り機を目の前で動かして頂きましたが、その音がカタンカタンと優しい音で、とても心落ち着く響きが広がっていました。木製の機織り機は見た目にも落ち着く色で、時の流れがゆっくりになったような気がしました。
この心落ち着く音、昔は我が故郷、旧高遠町の長藤地区や藤沢地区でもよく聞こえたなじみの音なんだそうですが、現在そのサウンドを奏でる家は一軒もなく、機織り機が残っていても倉の奥にしまわれている家が多いとの事でした。こういった昔の音が僅かにでも生き残って行けるのはこうやって次の世代に残して行くN先生やその機織りを楽しんでいる人々の存在がとても大きいのはもちろんですが、我々が持っている「ふるさと」というイメージの中のどこかに記憶されている事も大きいのだと思います。
ところで10代20代の方々の「ふるさと」という記憶の中にはどんな事が詰まっているのでしょうか?「虫取り」とか「魚採り」なのかな?それともお祭りなのか、それともおじいちゃんやおばあちゃんの手料理なのかな?
「機織り機の音」なんていうのはなかなか無いかもしれませんが、気持ちが安らぐ「ふるさとの音や情景や思い出」はずっと消えずに残って行って欲しいものだと思いました。