久しぶりのレビューはショコラで火崎勇さん『恋愛ビースト』
攻様は金持ちの老人と暮らすドーベルマン。ある日庭で昼寝をしていると、
見知らぬ男が侵入してきた。知り合って以来、攻様に会うためにやってくる
彼との逢瀬は楽しむ攻様だが、飼い主の危機で攻様の身に変化が!!
今回は生まれも育ちもドーベルマンだった攻様が
写真家の受様の出会った事で人間になり
恋を成就させるまでという異種間ラブ
攻様はある老人に飼われている血統書付きのドーベルマン
攻様は老人の孫に飼われていましたが
息子夫婦と孫派を隠して事故で他界、
攻様は家族を亡くした老人を主とし、
主も攻様を亡くした家族同然に可愛がった事で
攻様は人の気持ちに敏感な犬となっていきます。
それでも犬である攻様に出来る事は少なく
主の側に彼が一番信頼する弁護士がいる時には
ゆったりと庭で休息する事にしていました。
そんな時間を過ごしていたある時
風で飛ばされ写真を追って青年が庭に侵入してきます。
彼が今回の受様になります
攻様は番犬らしく彼を威嚇しますが
受様は攻様を恐れることなく微笑んできて
攻様は受様に主に似た匂いを感じます。
攻様は受様の存在を許し
受様が度々庭に通ってくるようになると
受様が特別な存在になって行きます
やがて受様の存在は主にも知れる事となりますが
攻様が受様に懐いていた事で主にも認められ、
攻様は大好きな2人のいる日々を楽しみます。
しかし、攻様の主の身体は確実に老いていたのです。
ある日の真夜中、
心臓発作を起こしてしまいますが
夜の屋敷に居るのは主と攻様だけ
攻様には屋敷の外に出る事は出来ても
主の状態を伝える術を持ちません。
誰でもいいから主を助けてくれ
そんな攻様の必死の思いが
攻様を人間へと変化させる奇跡を起こし
主は一命を取り留めます。
しかし攻様にも主にも
なぜ攻様が人間になったのかはわかりません。
期せずして人間になった攻様の未来とは
本作は犬と人間との恋物語です
本作の攻様は犬のままでも賢くて
人になったら益々グレードアップするという
とっても出来たワンコです。
犬なのに攻様視点でお話が進むので
どんな展開になるって行くのかワクワクで
主の死という逃れられない悲しみは有りましたが
受様とまとまる最後までとっても面白かったです
攻様は人になっても
理路整然と考えて善悪を判断できるのに
受様に発情しちゃったら
ワンコの本能が出ちゃうっていうのが
良くも悪くもケダモノって感じで良かったですね。
初版鋏み込みのペーパーは
受様視点で2人がお出かした時のお話になります。
攻様視点では思いつかないようなオチ
ファンタジーだけどワンコだけど
大切な人を守る気持ちの一途さが見事なお話でした。本日のランキング・ 14290位/1756815ブログ