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【民事訴訟法 複雑な訴訟形態 複数請求訴訟③】 ノート形式

2014-10-27 20:33:28 | 民事訴訟法
〔反 訴〕



(1)意 義

(反訴)第百四十六条  被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一  反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するとき。
二  反訴の提起により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき。
2  本訴の係属する裁判所が第六条第一項各号に定める裁判所である場合において、反訴の目的である請求が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項第一号の規定は、適用しない。
3  日本の裁判所が反訴の目的である請求について管轄権を有しない場合には、被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と密接に関連する請求を目的とする場合に限り、第一項の規定による反訴を提起することができる。ただし、日本の裁判所が管轄権の専属に関する規定により反訴の目的である請求について管轄権を有しないときは、この限りでない。
4  反訴については、訴えに関する規定による。

 訴訟経済上関連紛争を別々に継続することは審理に重複を生じさせ問題である。亦、矛盾した判決を生む危険も在る。
(合衆国連邦民訴規則13条(a)項)⇒強制的反訴を広く採用

(反訴)第百四十六条
3  日本の裁判所が反訴の目的である請求について管轄権を有しない場合には、被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と密接に関連する請求を目的とする場合に限り、第一項の規定による反訴を提起することができる。ただし、日本の裁判所が管轄権の専属に関する規定により反訴の目的である請求について管轄権を有しないときは、この限りでない。

〇占有の訴えに対して本件に基づく反訴を提起することは、民法202条2項にに反すること無く適法である(最判昭和40年3月4日民集19・2・197〔205〕)。

民法(本権の訴えとの関係)第二百二条
2  占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。

債務確認訴訟に於いて給付を求める反訴を提起された場合に於いて本訴についての確認の利益が無くなることから不適法却下される(最判平成16年3月25日民集58・3・753〔36〕)。

〇「予備的反訴」
(例)売買代金の支払い請求訴訟←請求却下の申立+万一の請求認容に備えて売買物権の引渡請求の反訴を提起(本訴の排斥を解除条件として反訴を提起)⇒(反訴債権を自動債権として本訴請求権を受動債権とする相殺の抗弁を主張する場合は、基本的には予備的反訴に変更するものとして赦される。最判平成18年4月14日民集60・4・1497〔39〕)。

(2)要 件
此れを欠く場合~終局判決により反訴を却下する(通説・判例)。
✻近時、独立した訴えとして問題が無い以上別個の訴えとして取り扱うべきとする見解が有力である。

①事実審の口頭弁論終結前であること。
(反訴の提起等)第三百条  控訴審においては、反訴の提起は、相手方の同意がある場合に限り、することができる。
2  相手方が異議を述べないで反訴の本案について弁論をしたときは、反訴の提起に同意したものとみなす。
3  前二項の規定は、選定者に係る請求の追加について準用する。

(第一審で実質的審理が為されており相手の審級の利益を損なわ無い限りは、こうした同意は必要無い。最判昭和38年2月21日民集17・1・198〔206〕、最判平成16年6月3日判時1869・33)。


②反訴請求が本訴請求亦は其れへの防御方法と関連すること。

〇関連性(牽連性)~訴えの変更の要件である「請求の基礎の同一性」によりもやヾ広い。
(例)
・建物返還請求訴訟→敷金の返還請求の反訴提起
・請負代金等の支払請求訴訟⇒相殺の抗弁権を主張していれば→相殺に供している反対債権の残額部分の支払請求につき反訴を提起することが出来る→防御方法である相殺の抗弁が却下された時は反訴も不適法となる。

〇関連性の要件が満たされ無い場合には、相手の同意があれば良い。
(こうした要件を設け無いと、反訴被告にとっての管理権の利益が損なわれる)。

③146条1項2号参照⇔143条1項但書
(反訴)第百四十六条 被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
二  反訴の提起により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき。

(訴えの変更)第百四十三条  原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。「ただし、これにより著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りでない」。
 
④146条1項1号(2項も参照)。

(反訴)第百四十六条  被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一  反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するとき。
2  本訴の係属する裁判所が第六条第一項各号に定める裁判所である場合において、反訴の目的である請求が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項第一号の規定は、適用しない。

✻他、一般的な併合要件を満たすこと。



〔中間確認の訴え〕



(1)意 義

(中間確認の訴え)第百四十五条  裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。ただし、その確認の請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するときは、この限りでない。
2  前項の訴訟が係属する裁判所が第六条第一項各号に定める裁判所である場合において、前項の確認の請求が同条第一項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項ただし書の規定は、適用しない。
3  日本の裁判所が管轄権の専属に関する規定により第一項の確認の請求について管轄権を有しないときは、当事者は、同項の確認の判決を求めることができない。
4  第百四十三条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による請求の拡張について準用する。


(例)建物収去明渡訴訟の継続中
 土地所有権の帰属についての争いがある場合
⇒其の手続きの中で確認訴訟を提起

(既判力の範囲)第百十四条  確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。

〇中間確認の訴えに拠らずば、こうした判断が判決理由中で示される為、現行法を形式的に当て嵌めると既判の射程外になってしまう→中間確認の訴えによって既判力で確定出来る。

原告がする場合:訴えの変更の一種。
被告がする場合:原訴の性質を有する。

(2)要 件

・訴訟中に当事者に争いが在り(係争性)
・其れが本来の請求に対し先決的な法律関係にある(先決性)
・其の提起が事実審の口頭弁論終結前である。
・一般的な併合要件も満たす。

〇確認の利益が其れ異常に関ることは無い。

〇請求の基礎の同一性や本件請求等との関連性も問われ無い。

続 く

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