新自由主義とグローバリゼーションは御互いに連結された概念の意義を持つ。
独裁は専制主義とは別であり、独裁者が多くの民衆から支持される政策に忠実であるならば、民衆の福利に与える最終的な影響は民主主義とは変わるものでは無い。此れ等に対して専制主義は、絶対的な価値や真理が存在するという立場で、実際の政治手法は力に依る強引な押し付け的ものである。個人の自由を抑制するという点では専制主義と似て非なる全体主義は、個人主義と対峙し、 個人は全体を構成する部分であるとし、個人の一切の活動は、全体の成長・発展のために行われなければならないという思想又は体制をいい、国家・民族を優先し、個人の自由・権利は無視される。
✱ 絶対的な価値や真理が存在するという立場👈「共生」や「雑多な多様性」を強要👈グローバルゼーション(専制主義か)
実際、世界中の自称他称の「新自由主義」の政治屋は、「新自由主義」の意味を誤解して分かって居るか如何か分ら無いか、其れとも惚けて悪用する屑ばかりである。譬えば、水道の民営化等は、本来新自由主義が、政府と民間の役割を峻別するものであるにも拘らず、国家の本筋の国民への福利の分野を民間に任せて良いものでは無いのだ。処が、「新自由主義とは、政府の規制を緩和撤廃するとともに政府の事業を民間に委ねて行こうとする思想だ」何て無思考に宣う慮外者も居る。
此処で、一つ留意すべきは、安保晋三と自民党が促す改憲である。奴等が出した改憲案は、現日本国憲法の前文を根底から削除し、書き変えたものである。改憲と雖も現憲法で明文化されて改正を禁止されてる現憲法の根底と成る精神規定迄改変出来無いのであり、安倍政権は今迄も現憲法を無視した法解釈で成立させた法律のオンパレード尽くし政権と言える。
現憲法前文第一段
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
次に、👇の魚拓を観て頂きたい。
新自由主義に抗戦するフランス国民、沈黙する日本国民<菊池英博氏>
11月17日にフランスのパリで始まったデモは全土に広がり、終息の見通しが見えない。デモで国民が最初に訴えたのは「燃料税の引き上げに反対」であったが、これは不満の一部に過ぎず、本質的にはマクロン大統領の経済政策に国民が強硬に反対しているのだ。
マクロンの経済改革は、典型的な新自由主義政策(グローバリズム)であって、「法人税を33%から25%へ引き下げる」「富裕税を廃止する(減税)」「年金所得者、低所得者にも課税する」「経営者が労働者を解雇しやすくするために労働法を改訂する」などだ。こうなると「低所得者から富裕層と大企業に所得が移転し」「企業ではリストラが進む」ことになる。
マクロンの政策は、英国のEU離脱や米国のトランプ当選で発揮された反グローバリズムの潮流に逆らっている。18世紀末に自由・平等・博愛の理念を掲げて国民を苦しめてきた王政を打倒したフランス国民の血統は今日でも不断に流れており、フランス全土に広がっているデモはフランス国民の反グローバリズム行動の表れである。デモを沈静させるのは増税・リストラ法案の撤廃が必要であろう。
◆英米という新自由主義失敗事例
新自由主義とは「国富を1%の富裕層と大企業に集約すれば、彼らの投資と消費が増えるので経済が成長する」「そのためには社会保障費は最低限に抑え、労働法を改訂して解雇を自由にし、賃金を極力圧縮する」という考え方(イデオロギー)であり、最初にこの政策を取り入れたのが1979年からの英国のサッチャー首相と1981年に就任した米国のレーガン大統領であった。
その結果、両国ともに財政赤字は拡大し、国民の所得格差が拡大して社会が分断され、米国は債務国に転落して国家が危機的な状況になってしまった。英国のEU離脱と米国のトランプの大統領就任は、こうした新自由主義の流れを国民が直接投票で変えようとした行動の結果である。
◆日本も新自由主義で貧富差拡大だが沈黙する国民
日本で新自由主義を取り入れたのは2001年4月に就任した小泉純一郎首相であり、小さい政府、規制緩和、社会保障費圧縮などの構造改革を進めた。構造改革で貧しくなってゆくことに気が付いた国民は、新自由主義政策からの脱皮を期待して2009年9月に政権交代を実現させ、民主・国民・社民の連立政権に期待した。
ところが野田佳彦氏が首相になると、「4年間は消費税を上げない」という選挙中の国民との約束を破り、自民・公明と三党合意を実現させて、「消費税を10%に引き上げて法人税を5%下げる」という典型的な新自由主義政策を取り入れた。
2012年12月の選挙で政権に復帰した自民党の安倍首相は、「(法人税の最高税率を25%に引き下げたうえでさらに)地方税を含む実行法人税を現行の36%から29%台に下げる」「日本を企業が最も儲けやすい国にする」「人件費を1割、削減する(経団連の要求)」「規制緩和を徹底して生活基盤まで破壊する」「金融を超緩和状態にする」という政策を採っている。その結果、日本はどうなっているのか。
👆は、新自由主義を局介した政治の民間への逆介入である。
厚労省のデータによれば、2013年から2017年までの実質所得(1世帯当たりの平均所得額)は5年で80万円減収(年収で16万円の減収)となった。内訳をみると、消費税3%の増税(これで消費者物価は2%上昇する)による減収は5年で60万円(年収で12万円)となり、残りの20万円(年収で4万円)は円安に輸入物価高によるものである。
さらにこの5年間で雇用者数は370万人増加したが、正規社員は26%の増加に過ぎず、非正会社員が73%も増加し、雇用は不安定化している。同期間の名目GDPは492兆円から546兆円に52兆円増加しているが、32兆円は計算方法を変えた底上げであって、実態は5年間でわずか20兆円(年成長率0.8%)の増加に過ぎない。さらに安倍内閣は海外から労働力を導入して日本人の所得を抑えようとしている。
一方、上場企業の2017年度の役員報酬合計は、2010年度と比べて31%も増加している(東京商工リサーチ調査)。
このように日本国民の所得を低く抑えて大企業を儲けさせ、その利益は株主配当と役員報酬、内部留保になっており、国民の実質所得の伸びはマイナスである。
なぜ日本国民はこうした暴挙を黙認しているのか。フランス国民に馬鹿にされないためには、選挙でこの悪政を変えさせることではないか。奮起せよ日本国民!
<文/菊池英博>
エコノミスト。東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)を経て1995年文京女子大学教授に。現在は日本金融財政研究所所長
提供元/月刊日本編集部
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