以下は、あるネット記事から抜粋したものである。
◆世界へ拡散する日本米「海外コメ戦略」の狙いとは?
しかしSBSの輸入枠は高々10万tであり、商社がやるビジネスとしてはあまりにも数量が少なすぎる。にもかかわらずSBS入札にこれほどまでに熱心なのは別に理由がある。
今年度第1回目のSBS入札が行われる直前、ある商社と大規模稲作生産者が集まって私的な食事会が開かれた。会食会の目的は、生産者側が自ら生産したコメを海外に輸出したいとの希望を持っており、その相
談に商社が乗ったというものであった。長年農産物や食品を扱ってきた商社の役員が自らの体験としてオーストラリアでは手巻きずしがヒットして日本からの輸出額が20億円から一気に90億円になったなど各国の状況
を話し、大変興味深いものであったが、会食も終わりに近づいたとき商社側からある提案がなされた。
この商社は海外各国に拠点を設けて日本食品を販売している。コメについては、日本からの輸出も手掛けているが、海外の日本食レストラン、寿司店に販売している寿司米はこの商社が海外の生産地で農家と契約
栽培したもので、種子は日本のコシヒカリやあきたこまちである。生産地はヨーロッパとアメリカだが、企業戦略として経済発展著しいアジアで寿司米を本格的に販売したいという計画を持っており、そのために東南アジアに寿司米生産の拠点を設け、その栽培の技術指導を生産者に頼んだのだ。
海外での日本米生産ビジネスは、この商社に限らず、複数の商社や大手卸が乗り出しており、世界的な日本食ブームもあって潜在的な需要も拡大しつつある。
今年度第1回目のSBSがヒートアップした原因の一つに、カリフォルニアで日本米の契約栽培面積が倍増して、その分を捌くために強引に落札しに行ったことも言われている。 現在、日本から海外に輸出される日本米は年間2000tにも満たない。その一方で、海外で生産された日本米により国内の市場が浸食されつつある。
この構造は、大きなコメの内外価格差が厳然として存在している以上、無くならないであろう。
海外でコメ作りを始めた日本の大規模稲作生産者は「国内でコメを販売するより海外でコメ作りをして販売した方が楽だ」とまで言っており、今後こうした動きが加速する可能性が高い。これまで日本米の生産を行ってきたアメリカや中国に加え、東南アジアや南米でも日本米作りが計画されており、世界中に日本米が拡散しつつある。
然し、此れは特異な農業生産者のミクロ的経済利益の追求であり、日本国内の米農業を衰退させ、結局、国民の主食である国内の自給自足を壊滅させるものであり、いざとなれば日本の食糧危機を齎すことに成る。
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