魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

◆◆【我「老子」の私見を綴る】◆◆微明第三十六

2012-05-14 12:38:52 | 学問

微明第三十六

將欲歙之、必固張之。將欲欲弱之、必固強之。將欲廢之、必固興之。將欲奪之、必固與之。是謂微明。柔弱勝剛強。魚不可脱於淵、國之利器、不可以示人。

まさにこれを歙めんと欲すれば、必ず固くこれを張る。まさにこれを弱めんと欲すれば、必ず固くこれを強くす。まさにこれを廃せんと欲すれば、必ず固くこれを興す。まさにこれを奪わんと欲すれば、必ず固くこれに与う。これを微明と謂う。柔弱は剛強に勝つ。魚は淵より脱すべからず。国の利器は、もって人に示すべからず。

ものを収束させるには、直前に必ず一旦極限まで膨張させる。ものを弱くするには、直前に必ず一旦極限まで強くする。ものが消すには、直前に必ず一旦極限まで其の存在を輝かす。他人の物を奪おうとする陰険な人物は、必ず先に彼の者に近付いて来る。以上掲げたことから推し量れば、何事も非常に自ずと微妙に作用するものだと分るのである。万物草木などは柔軟で撓れるからこそ生きて行けるのであり、もし柔軟さが無ければ枯渇してしまう。柔軟な心の持ち主の気性は穏やかで、事を進めるに寛容であるが、逆に気性の強い人は其れと真逆であり、因って、柔よく剛を制し、気の弱い人でも気性の強い人にら勝つことが出来るのだ。魚は深く水面下に潜んでいるもので,魚を水から取り出せば直ぐに死んでしまうように、例えば人は大道を護って生きるべきで、為政者は大道に叛くことをしてはならない。民衆に大道を教えずに、国家が軍事力の拡大に依存すれば、敵は其の国の人心の乱れを突き、必ず侵犯して来る。


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