天星人語

世間と空、そして(時々)海をぼんやり眺める毎日です。

言語化されない「知」とは

2005年10月31日 | 言葉・文字・数

 人間には、言語の背後にあって言語化されない知がある。「暗黙知」、それは人間の日常的な知覚・学習・行動を可能にするだけでない。暗黙知は生を更新し、知を更新する。それは創造性に溢れる科学的探究の源泉となり、新しい真実と倫理を探求するための原動力となる。隠された知のダイナミズム。潜在的可能性への投企。生きることがつねに新しい可能性に満ちているように、思考はつねに新しいポテンシャルに満ちている。暗黙知によって開かれる思考が、新しい社会と倫理を展望する。より高次の意味を志向する人間の隠された意志。そして社会への希望に貫かれた書。

 

マイケル・ボランニー 「暗黙知の次元」ちくま学芸文庫 

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