ヘアカラーに行った先で、手元にあった雑誌を眺めていると
納豆料理のレシピや、具沢山のお味噌汁のレシピに目が止まりました。
どれも簡単そうで美味しそうなものばかり。
ご飯に刻んだ糠漬けと納豆だなんて、食か進みそう。
納豆とチーズのオムレツは、パンにも合いそう。
納豆とニラと長芋のお味噌汁に至っては、絶対に美味しいに決まってる、確信犯だ。
さっちゃんなら喜んでおかわりするし、父も好きだろうから、今度作りに行こう。
お味噌汁・・・。
間違いなく、日本人のほとんどの人が好きな汁物のひとつに違いない。
特に、冬場の熱々のお味噌汁は、有り難みを感じてしまうほどだ。
お出汁も色々、お味噌も色々。
私は、母の作ってくれる大根と油揚げのお味噌汁が。
そこまで思い出して、急に母がもういないことまで思い出してしまった。
そうか、あのお味噌汁は、もう二度と食べられないのか。
母が、料理ができなくなって、台所に立つことも出来なくなって、こんなにも長く経つのに
母のお味噌汁が食べられなくなったことに気付くのが今だなんて
私はどれほどぼんやりしていたんだろう。
手作りの美味しいお味噌汁はおろか、声を聞くことも、触れることも出来ない。
そうか、そういうことなのか。
母と私の関係は、ある意味特殊なものだったけれど
余計なことは、もう考えないし、思い出す必要もない。
とにかく、料理好きで、面白い、可愛らしい人ではあったと思う。
温厚な父も手を焼くほどの、相当ワガママな人ではあったことも付け加えておこう。
美味しそうなレシピで、母のことを思い出してしまったお陰で
買い物を済ませて家に着く頃には、私はレシピのほとんどを忘れてしまっていました。
ま、そんなもんだ。
思い出すことと、忘れること。
どっちも大事。