吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

僕の前に道はない 僕の後ろに出来た道も雪で埋もれる

2014-01-31 18:23:43 | インポート
今日は、さっちゃんが通っている「Heartさん」という施設で
週1回の、ソフトエアロビをする日でした。
昨日から、さっちゃんにいいようにされている私ですが(嬉々としてね)

さっちゃんの
「まま、えあろびにくるかな?」
「まま、きてもいいよ」
という、なにやら遠回しなお誘いに乗せられ
お仕事終了後に、ファーストフード店でお茶休憩をしてから
「Heartさん」へと向かうことにしました。
ところが、なんと!
お茶休憩をしている間に、外はすごい吹雪になっていたのです。
お天気予報では、確かに雪が降るとはいっていたけど
吹雪くなんて言っていなかったのに…。

でも、さっちゃんが「Heartさん」で待っていると思うと
やーめた!なんて気持ちは全く起きず。
マフラーで口を覆うようにぐるぐると巻き、帽子を目深かぶって
私は、「Heartさん」へ向かって、歩き出しました。

それにしても、ひどい。
横殴りの強い風が、目の中に雪をばしばし放り込んでくるので
まともに目を開けることが出来ず、目は常に薄目。
身体は常に前傾姿勢で、時々方向を誤って、車道に落ちそうになる。
これでは、知り合いが目の前に来ても、多分わからない。

でも、さっちゃんが待っているから。

飲食店やスーパーが並ぶ、賑やかな通りを抜けると
風を遮ってくれる建物がないので、吹雪を余計に身体に受けるかたちになります。
小さな雪粒が、容赦なく顔に当たり、ときどき目を直撃し
ジャケットやジーンズに貼り付きます。
痛いわ冷たいわ。
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画像から伝わるでしょうか。
いっそ、現場から動画で中継したいひどさです。

人通りの少ない歩道は、吹き溜まりとなって
ところどころ、10cmほどの雪が積もっています。
当然、靴の中にも雪が入ります。
振り返ると、私がつけたはずの足跡の上には、直ぐに雪が降り積もって
おそらく数分で、私が歩いた後は見えなくなってしまうでしょう。

でも、さっちゃんが待っているから。

40分ほど歩いて、ようやく「Heartさん」に到着し、雪を払って中に入ると
暖かい室内で、まったりと過ごしていたさっちゃんは
何しにきたの?と言わんばかりに私を一瞥し
話し掛けるどころか、近寄りさえせず
職員のMさんに、べったりと甘えていました。

ひどい、ひど過ぎる。
荒々しく私に吹きつけていた雪粒より冷たく、そしてヒドイ。
部屋は暖かいのに、なんか寒い。
この温度差が切ない。

甘えん坊しても、もう抱っこしてあげないんだからね(←絶対ムリ!)

さっちゃんにやられまくる日

2014-01-30 21:03:53 | インポート
今日は、さっちゃんの通院日でした。
数ヶ月に一度、さっちゃんの様子を診察してもらうのですが
今日は、5年振りに、脳のCTも撮ってきました。
結果は、5年前とほとんど変わらず。
良くはないけれど、少なくとも、悪くはなっていないということです。
次回の脳のCT検査は、予定では5年後なのですが
その頃、私は50代で、さっちゃんは20代後半です。
私はまだ働いているのか、踊っているのか、全く想像が付きません。
5年前から今までは、あっという間なのに
今から5年先は、随分先の話の様な気がします。

病院がお昼過ぎに終わったので
私たちは、病院の近くの、人気のカフェでランチをしました。

私は、メニューに載っていない、裏メニューの
「ふわふわクリーム オムライス」
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ケチャップライスを半熟玉子で包み、ホイップクリームをトッピング
シンプルですが、これがめちゃくちゃ美味しいのです。
品名通りの、ふわっふわのクリームと、ケチャップライスと玉子
これを、スプーンでひとまとめにすくいあげて口へ運ぶと
大好きなオムライスの懐かい味と、ホイップクリームのまろやかさが
じんわりと口にひろがり、なんだか幸せな気持ちになります。
もう一回、スプーンでホイップクリームとケチャップライスと玉子をすくい
さっちゃんの口へ運ぶと、また幸せな気持ちになります。
私は、オムライスは、薄焼き玉子で、焼き目を表側にした
昔ながらのオムライスの方が好きなのですが
これは、幸せな気持ちになれるので、アリ。

なぜ私が、メニューに載っていない裏メニューを知っていたのかというと
何年か前に、ここのカフェに結構頻繁に行っていたからなのです。
裏メニューは、現在は本当に無くなっていて、裏ですらなかったのですが
「是非食べさせてください!」という、お客の熱意と
数年前の裏メニューを覚えていお客のしつこさに負けたシェフの
感情戦の結果で、無事に食べることができました。

さて、さっちゃんがオーダーしたのは
「きのことオクラとモッツアレラチーズの和風パスタ」
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きのことオクラの和風パスタならわかるけど
そこに、モッツアレラチーズを入れてみようと思い付く、その斬新さが素敵。
モッツアレラチーズはクセがないので、和の味でも相性がいいみたい。

更に、今日はさっちゃんと一緒なので、デザートも頼んでしまいました。
「白玉だんごのもちっとアイス ブルーベリー」
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これは、美味しい!
もちっとアイスの「もちっ」って、白玉のことを言っているのかと思ったら
なんと、アイスが「もちっ」だったのです。
数年前に流行った、トルコアイスみたいな感じと表現すれば良いのでしょうか。
白玉も、3個とかいうケチくさいものではなく、結構入っていたのが嬉しかった。
トッピングのビスケットも、偶然にも、さっちゃんのイニシャルの「S」
このデザートは、チョコアイスや抹茶アイスもあるので
機会があれば、是非そのうち試してみたいところです。

ランチの後は、時間があるので銭湯へ。
脱衣所で、コインロッカーを横並びに2つ使ったのですが
さっちゃんたら、何故か自分のコートや衣類を私のロッカーへ入れてきます。
「自分のロッカーがあるじゃない」
と、私が文句をいうと
「こっち、いっぱいだから」
と、さっちゃんが答えました。

いっぱい?

不思議に思って、さっちゃんのロッカーを覗くと
ガラガラのロッカーに、さっちゃんのリュックがぽちんと置かれていました。

「何処がいっぱいなの」
「いいから、いれさせて!」
さっちゃんはジーンズを脱ぐと、また私のロッカーに入れました。

なんだか分からないけど、いっぱいなのね。

さて、お風呂です。
冬の露天風呂は、格別です。
私たちは、大きなお風呂にのんびりと浸かって、しっかり身体を温めました。


お風呂上りに、さっちゃんにおねだりされて、コカコーラ・ゼロを買ったのですが
さっちゃんは、500mlのコカコーラを飲み切れず…
…私のリュックに詰めました。

「え?なんで?」
反射的に私が言うと、さっちゃんは、当然でしょと言わんばかりに
「こぼれたら こまるでしょ」
と、言いました。

ああ、そっか。

…って、えっ?

まっ、いいか。面白いから。

帰りに、お夕食のお買い物をして、会計後に荷物を袋に詰めている時に
私が右腕を痛めていることを知っているさっちゃんが
「いじょぶ?ムリしないでね」
と、私をいたわってくれたので、なんて優しい子なんだろうと感激していたら
おしりの真ん中へんを、かなりアブナイ感じでぺろんと撫でられました。
優しさは、私を油断させるためのまやかしだった様です。
なんてヤツだ。

今日は、久し振りに丸1日さっちゃんと過ごして
色々、いいように使われたような気がしないでもありませんが
なんだか、すごぉ~く癒されました。

乗り過ごしたが、乗り切った

2014-01-28 23:04:33 | インポート
先週から、ひどい腹痛に苦しんでいましたが
ロキソニンとボルタレンで強引に押さえ付け
無事、あくゆーずと遊び、ルーシーにも会い
予定をきっちりこなし終え
尚且つ、腹痛は、あくゆーずにも、ルーシーにも
毎日顔を合わせている仕事先のスタッフにも
誰にも気付かれることなく今日に至ります。

実は、数日前から右腕の痛みもぶり返していて
コンディションとしては、かなり悪かったんだけどね。

かっちょええぞ!自分!!



ここでキスして

2014-01-27 18:56:56 | インポート
先週の土曜日の夜は、ルーシーが久し振りにミロンガに来てくれたので
嬉しくて、楽しくて、はしゃいでしまった私は
久し振りに、ミロンガが終わる23:00までスタジオに居座っていました。

私がミロンガの帰りに利用しているバスは
スタジオから歩いて5分ほどのバス停に止まるのですが
最終のバスが、22:30過ぎ。
最終のバスに間に合うには、22:30前には、スタジオを出なければなりません。
ですから、22:30を過ぎてしまうと、JRを利用することになるのですが
スタジオからJRの駅までは、歩いて約20分強。
歩くのは好きだから、20分程度の距離を歩くのは構わないのですが
北海道のJRは、雪が降ると直ぐに遅れてしまうので
出来るだけバスを利用するようにしています。

スタジオ前でルーシーと別れた私は
駅へ向かってとぼとぼと歩き、電車に乗ったのは、23:30過ぎ。

土曜日の夜の電車は、座席は全て埋まっていて
私は、ドアの近くに立って、スマホでダウンロードした音楽を聴きながら
窓の外の景色を、ぼんやりと眺めていました。

ルーシーと交わした会話を思い出したり、お仕事のことを考えたり
ぼんやりしていて、どのくらい時間が経ったのでしょうか。
ふと気が付くと、車内アナウンスが、次に停車する駅名を伝えています。

   げっ!

駅名を聞いて、私は耳を疑いました。

その駅名は、私が降りるはずだった駅の、次の駅の名前だったのです。
何かの間違いかと期待して窓の外を見ると
いつの間にか、見慣れない景色に変わっています。

  乗り過ごした!

寝ていたわけではなく、うとうとすらしていないのに、何故。
とにかく、乗り過ごしたのは事実です。
少しすると電車が停まり、駅へと降りた私は
駅周辺の「ひっそり具合」に、少なからずショックを受けていました。
お店も飲食店もなく、民家がぽつぽつと見える程度。
真夜中なので、その民家の灯りも消え、辺りは静まり返っています。
そんな状況なので、タクシー乗り場も見当たらず。
空から降る粉雪が、横から吹きつける風で舞い上がり
街灯の冷たい灯りが、その様子を照らしています。

暗いわ寒いわ、ちょっと怖いわ。

こんな時に限って、イ・ビョンホン主演の底無しに恐ろしい映画
『悪魔を見た』の衝撃シーンなんか思い出してしまうし。
(ある雪の降る夜に、物凄い惨劇が起こるのですよ)

さて、帰ろう。

私は、コートのポケットに入っていた手袋をはめ
スマホにセットしたイヤホンを、もう一度耳にぐりぐりと押し込み
線路沿いに歩き始めました。

人の姿もなく、ただひたすら寒くて静かで暗い道。
人がいたらいたで、別の意味で緊張するんだけれど
「何もない」って、怖いぜ。
私は、「もしものアクシデント」を想定して
右肩に掛けたバッグを、両手でしっかりと抱え込みました。

こんなときは、あれだ。
『サウンド・オブ・ミュージック』という映画で
雷が怖くて、家庭教師のマリアの部屋に集まってきた子供たちに
マリアは、こんなアドバイスをして励ますんだ。
自分の好きな、お気に入りのものを思い出せば平気。怖くないって。

って言ったって、ルーシーを思い出したって、下ネタと連結してしまうし
アルゼンチンタンゴを思い出したって、踊りながら歩くわけにいかないし
最近読んでいる本は、連続殺人犯を追い詰める記者の話しだし
その殺人というのが、どれもこれもえげつないものばかりだし。

駄目だぁ~!
こんなことばかり思い出していちゃ、駄目なんだぁ~!

そのとき、耳に突っ込んだイヤホンから
椎名林檎の、『ここでキスして』が流れ始めました。

 I'll never be able to give up on you
 so never say good bye and kiss me
 once again

これだぁーっ!!

どうせ周りに人はいないんだし、民家の中身は寝ているっぽいし
私のひどい音痴を攻める人は、いま傍にいない。
演奏の設定を、「リピート」にセット。

はい。
歌いましたよ。
たった1人で、粉雪の舞い散る暗い夜道をとぼとぼ歩きながら
ひそひそ声に近い音量で

『ここでキスして』

聴くだけでは集中し切れず、余計な想念が湧いてしまうので
もう、ひたすら椎名林檎と一緒に歌うしかない。

もし、私が粉雪の舞い散る暗い夜道を歩いているときに
黒いコートの中年女が、ひそひそ声で『ここでキスして』なんて囁いたら
全速力で走って逃げるんじゃないかと思うくらい怖いけど
大丈夫、今は誰もいない。
もし、誰かが通り掛ったら、口を閉じればいいだけの話だ。

それにしても、どうして今、夜中なんだろう。
折り返しの電車もないような、夜中なんだろう。

 行かないでね 何処にだって 私と一緒じゃなきゃ嫌よ
 あなたしか見えないのよ 今すぐにここでキスして

気持ちが分からないわけじゃないけれど、改めて聴くと、なんか変な歌だな。
はっ!いかん!
歌っていながらも邪念がっ!
集中、集中。

 行かないでね どんな時も 私の思想を見抜いてよ
 あなたの長い睫毛も その華奢で大きな手も全部
 大好きなの 何処にだって あなたほどの人なんていないよ
 あなたしか見えないのよ 今すぐにここでキスして
 
ふーん、よっぽど好きなんだなぁ(←邪念)

30分以上歩いたでしょうか。
私が降りたかった駅が見えてきました。
何人もの人の姿が見えます。
駅周辺の建物や飲食店の灯りが、なんだか妙に懐かしい。
たったひと駅で、随分と雰囲気が変わるものです。

こうして、私は予定を1時間近くオーバーして
椎名林檎と一緒に帰宅したのでした。