「自分が犯してしまった罪の重大さを、わかってほしい」。少女の悲痛な訴えが法廷にひびきました。いまわしい記憶を呼び戻すつらさに震えながら。
去年12月、沖縄の米軍嘉手納基地に所属する空軍兵が16歳未満の少女を車で自宅に連れ去り、性的暴行を加えたとして罪に問われていた裁判。きのう那覇地裁は懲役5年の実刑判決を言い渡しました。米兵は無罪を主張してきましたが、少女の証言は信用できるとして。
この事件は警察や政府が把握していながら発表もせず、県にも情報を伝えていませんでした。玉城デニー県知事はこのような事件が起こることのないよう、これまで米軍と日米両政府に対して強く抗議し、より実効性のある再発防止策を求めてきたと。
誰もが被害者になりえる―。沖縄の女性たちや多くのNGOが声をあげ、国連の女性差別撤廃委員会は日本への勧告の中に米軍兵士による沖縄の性暴力を書き込みました。暴力を防ぎ、加害者を適切に処罰し、被害者に十分な補償を。
米軍占領下の沖縄の歴史や現状をまとめ、委員に渡した新婦人沖縄県本部の里道昭美事務局長は本紙に語っています。「不平等な日米地位協定の異常さ、日本政府が沖縄の女性に保護の手だてをとっていないことが明らかになった」。
判のなかで今後の目標について問われた少女は「スクールカウンセラーになって、自分のようなつらい思いをした子を助けたい」と声を振り絞ったといいます。沖縄は22日、事件に抗議する県民集会を開きます。
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