安保法制反対 学者の会シンポ
安全保障関連法に反対する学者の会は6日、オンラインシンポジウム「闇に突き進む岸田政権と社会―いま、何をすべきか」を開催し、約600人が視聴しました。
石田英敬・東京大学名誉教授は、日本は異常に投票率が低いなど「不完全な民主主義の国」だと述べ、安倍政権によって民主主義が閉塞(へいそく)したと指摘。米国の国会議事堂襲撃事件などを挙げ、「ファシズム」が世界的に広がっている状況に危機感を示しました。
青井未帆・学習院大学教授は、岸田政権は「敵基地攻撃能力」の保有などの安保政策の大転換を、憲法論から切り離して行ったと批判。同盟国間の軍事的合理性に疑問を持つことが9条の役割だと述べ、「政府の9条解釈は限界を迎えている。私たちが(9条を)補強しなければならない」と呼びかけました。
佐々木寛・新潟国際情報大学教授は、原発は安全保障の問題であり、「核兵器と同等の脅威」だと強調。危機感を共有すれば、市民と野党は各地方から共闘していけると述べ、安全保障の対抗構想を作り、平和を構築していこうと訴えました。
精神科医の香山リカ氏は、日本の20代以下の自殺者が近年増加傾向だと述べ、若者は将来不安に加え、ネット社会で常に自分と他者を比べランク付けさせられていると指摘。機会の不平等を是正せず、結果を全て自己責任とする新自由主義社会のあり方が最大の問題だと主張しました。
岡野八代・同志社大学教授は、差別とは、ある社会でよく生きるための手段を欠き、社会の構成員から排除されている状態であり、社会制度や法制度を変革しなければ解決しないと強調しました。
石田、香山両氏と佐藤学・東京大学名誉教授がパネルディスカッション。司会は大沢真理・東京大学名誉教授が務めました。
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