経営法務研究室2023

 情報の選別・整理のためのブログ。
 備忘録的利用がメイン。

相続放棄で考えること

2013-02-27 | (法律)


 相続放棄をする際には、通常被相続人の債務があるから相続放棄をするというときが多いと思います。

 注意が必要な点は、相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったと取り扱われるので、相続人は、次順位に予定されている者になります。

 そのため、相続放棄の結果、親戚等が相続人となる場合があり、相続放棄をしたのちは、債権者から、親戚等に請求がいくことになりますので、一緒に、親戚なども相続放棄させることが好ましいです。

 その意味では、内緒にしておきたい話であっても、ごじつ迷惑をかけないように、親戚にもお伝えして、相続放棄をさせてあげる機会を確保してあげた方が望ましいです。


相続放棄について

2013-02-26 | (法律)

 相続放棄をした者は、初めから相続人とならなかったものとされるため、主として、借金を相続しないようにするために利用する制度です。

 原則として、相続開始から3か月以内に、家庭裁判所へ申述して行うこととされます。

 ここで、「原則として」と記載したのは、判例上は、「財産がまったく存在しないと信じ」「信じるについて相当な理由がある場合」、相続放棄の「期間は、相続人が相続財産の全部もしくは一部の存在を認識した時または通常これを認識しうべかりし時から起算するのが相当」であるとされています(最高裁判決昭和59年4月27日)。

そのため、結果として、借金を知った時から3か月以内であれば、相続放棄が認められることがあります。

相続から3か月以上経っている件は、弁護士に相談して、相続放棄手続きをした方が良いと思います。

なお、事前に相続を放棄するような書面を取り付けている事案もありますが、相続開始後に家庭裁判所への申述が要求されており、そのような書面に相続放棄の効力は認められません。




信託銀行等金融機関が作成する遺言書

2013-02-25 | (法律)

 信託銀行等金融機関が、よく遺言書を作成し、財産管理をするサービスがありますが、よくあるのは、遺留分を全く考慮しない遺言書を作成していることです。

 遺言を作成しても、遺留分を考慮しなけえれば、あとで遺留分権者から遺言を否定されます。


 金融機関は、意図的にこれをしているのかわかりませんが、後で争いになることは、最初からわかっていますので、むしろ、遺留分に配慮をして、遺言書を作成するべきと考えます。
 この発想は、弁護士の発想かもしれませんが、この方がトータルで費用等の出費も抑えられ経済的でもあります。

 後日、長期にわたる裁判をおこされないためにも、遺言書の作成には、専門家をかかわらせることをお勧めします。


 必ずしも、問題のある金融機関ばかりとは言いませんが、決して、信用しきってはいけません。


 

預金債権に関する金融機関の履行遅滞責任

2013-02-24 | (法律)


先日、相続の預金の請求について、金融機関が払戻しに応じない場合の対応についてご紹介しましたが、補足です。

預金債権に関する金融機関の履行遅滞責任の判例については、最高裁判例があります。平成11年6月15日です。

預金債権の帰属先に争いがある場合に、金融機関は、債権者の不確知ということで、供託できるところ、それをしないで、単に拒絶をした場合の履行遅滞の責任を認めている判例です。


ネット上でも提供しているページがありますので、ご参考まで。


<商事判例研究>帰属先に争いのある預金債権に関する金融機関の履行遅滞責任<商事判例研究>帰属先に争いのある預金債権に関する金融機関の履行遅滞責任


JAIRO

http://jairo.nii.ac.jp/0025/00022623



https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/dspace/bitstream/2241/105346/1/%e3%82%b8%e3%83%a5%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88_1228.pdf

交通事故 醜状 後遺障害

2012-05-11 | (法律)

 醜状障害については、以前このブログでもご報告させていただきましたとおり、2010年6月10日に京都地裁の違憲判決が確定し、男女間格差は是正されることとなりました。


 平成23年5月2日政令第116号により、以下とおり基準が変更となりました。


①別表Ⅱ7級12号の「女子の外貌」を「外貌」に改めること、

②別表Ⅱ9級16号を9級17号に改め、9級16号は、「外貌に相当程度の醜状を残すものとすること、

③別表Ⅱ12級14号の「男子の外貌」を「外貌」に改め、14級15号を削除すること、

④別表Ⅱ14級10号を削除すること、


もっとも、この政令は平成23年5月2日に施行され、規定の適用については、平成22年6月10日以降に発生した自動車の運行による事故に限るとの扱いになっています。



ですので、醜状の後遺障害があっても、平成22年6月9日以前の交通事故については、従前の基準によることになります。

しかし、たった1日違いあるいは1か月、さらには2か月と考えた場合に、時期によって区切るのはあまり合理性はありません。

すでに解決したものであればともかく、まだ未解決であれば、新基準によるべきという話が合理的だと思います。

評価の問題でもあり、予見不可能という理屈よりは、社会状況の変化によって、相当の範囲であれば、変更は想定しうる以上、新しい基準での対応をするべきのような気がします。

なかなか難しい問題ではありますが・・・





トラブル解決のために 紛争解決センター 東京弁護士会

2012-04-19 | (法律)

 最近弁護士会の相談の担当をさせていただく際、相談案件としては、きちんとした法律問題であっても、請求額が少額であるため、弁護士に依頼できない相談がかなり増えてきています。

 実際、弁護士費用は決して低額ではなく、一方で、法的手続などを行わないだろうと甘く見ている相手方があり、どうしてよいか困っている方も少なくありません。

 そこで、トラブル解決のための手段として、比較的低額で済む手続きをご紹介したいと思います。

 東京弁護士会が行っている、「紛争解決センター」です。

 東京弁護士会の紛争解決センターは、トラブル解決のためのあっせん、仲裁を行っています。

 受付窓口に相談すれば、申立書の書き方も教えていただけるそうです。


 電話は、03-3581-0031です。


 法分野は、売買、請負、損害賠償請求、慰謝料請求、借金問題、男女トラブル、相続、離婚、スポーツ紛争、刑事示談、セクハラ、賃金、知的財産、医療過誤、交通事故、賃金問題、雇用問題、土地マンション取引問題、商取引、企業間トラブル、行政庁とのトラブルなどほぼ全範囲にわたります。

 問題はその費用がですが、申立手数料は、10500円税込で、期日手数料5250円、解決のときの成立手数料です。


 結局は、ケースバイケースですが、弁護士費用に難のあるケースは、弁護士費用よりは低額なので、一応検討するべき手段だと思います。





 
 

従業員の電子メールの私的使用について

2012-03-03 | (法律)

 現在は、もはや電子メールはビジネスにはなくてはならないものであり、どこの会社も仕事でメールを使うのは通常のことといえます。

 一方で、従業員が私的に社内で電子メールを利用して問題になることもあります。

 
 そのため、会社によっては、従業員の電子メールの監視・閲覧等をするところもあるかと思います。


 ただこの場合、実は、従業員のプライバシーもあるので、争いになるケースがあります。

 
 たとえば、社内の鍵つき貸しロッカーの中を勝手に見られたらさすがにプライバシー侵害と思えますが、それと同じ問題であるという話になるわけです。

 
 もっとも、裁判所では、プライバシー侵害を直ちには認めません。もともとビジネスへの利用であり、サーバー領域の貸与にすぎず、手段が相当である限りはプライバシー侵害とは認定されません傾向にあります。


 モニタリングも含め、基本的には、プライバシーの侵害にあたらないとすることが多いとは思いますが、やはり就業規則上の電子メール利用規則やモニタリング等の告知など私的利用させない環境づくりとその徹底が必要だと思います。


 こうした問題については、従前の「労働者の個人情報保護に関する行動指針」(平成12年旧労働省)「や「雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針について」(平成16年7月厚生労働省)が参考になります。

 結局は、過度の干渉はまずいとされ、私用防止という目的を達成するのに必要最低限度の範囲でという話しになります。


 
 なお、こうした電子メールの私的利用は、もともとウィルス感染のおそれや業務停滞につながるから制限するという話であったとおもいます。


 このうち、ウィルス感染防止という点では、最近では、電子メールの利用だけでなく、やはりPC周辺機器全般に対して配慮を行っていくべきあるとは思います。



 ちょっと前には、USBから感染するウィルスもはやった時期がありましたが、最近の新しいところでスマートフォンのウィスルという話もあるぐらいです。

 iPadも含め、今や電子端末を持っている人はかなりいて、しかも1台ではないという状況にもなっています。


 こうした端末を利用して、会社PCにウィルスを感染させてしまうことも十分にありえます。



 利用規則とその周知徹底はきちんとしておく必要がありますね。



労働保険関係の消滅・廃止の手続

2012-02-10 | (法律)

 事業所を廃止し、労働保険関係が消滅した場合には、たとえば事業廃止届のような特別な手続きをとる必要はないのですが、その年の初日から保険関係が消滅した事業場の廃止の日までの保険料を精算してもらうために、確定保険料申告書を提出する必要があります。

 
 この申告書は、保険関係の消滅から50日以内に所轄労働基準監督署を経緯して所轄労働局長あてに提出する必要があります(当該申告時に、精算の結果、納付すべき保険料がある場合には、保険料を添える必要があります。)。


 
 ちなみに、労災保険に関して事業主の方が行う主な年間手続きは下記のとおりです。


 ・概算保険料の申告
 ・確定保険料の申告
 ・増加保険料の申告
 ・保険関係成立の届
 ・変更事項の届
 ・労働保険料の還付の請求
(・特例メリット制の適用の申告)

 あたりでしょうか?

 それほど難しくない手続きではあるので、一度経験すればあとはご自分でできるようなものです。


 むしろ保険の給付手続きの方が難しいといえますね。

 
 労災案件もいろいろ法的な問題がありますからね・・・


外国への移住

2012-01-07 | (法律)

 最近は、報道の影響もあり、生活の本拠を日本から外国へ変えようという人が増えているらしいです。

 日本での報道はともかく、海外における日本の報道は、例外なく放射能の話が取り上げられているので、日本の生活のリスクが強調されています。きっとこの影響もあるのでしょう。



 永住に関するコンサルタントの方がお話をされていましたが、最近は、シンガポールへという話もあるようです。


 シンガポールの法人税の税率は、17%なので、現地へ住み、会社をつくって、ビジネスをするという方もいらっしゃるようです。


 香港の法人税16.5%に匹敵する良い場所です。人気があるようです。


 どうしても、言語や環境の問題はありますが、今後、長期的にみて、日本人は、だんだんと日本を離れていくということもあるのかもしれませんね。
 

 
 ビジネスを考えている方も、早期リタイヤで永住を考えているかたも、ご興味がある方は、コンサルタントの方に相談してみると良いと思います。


 ご参考まで・・・・アエルワールド http://www.sglife.jp/

未公開株の詐欺に注意

2012-01-03 | (法律)

 昨今の経済事情からして、そんなに良いなどなかなかないはずなのですが、今なおときどき未公開株式の被害に遭われる方がいらっしゃいます。


 上場が決定したIPO株と「単に上場予定といわれるている株式」は、全く別もので、本当に上場するかは未知数のものです。

 
 もちろん、いずれ本当に上場になる可能性は否定しませんが、たとえて言うならば、魚のたまごの段階で、大人になったマグロの価値をあてにするようなもので、冷静に考えると、上場予定の株式を買うのは極めて危険な行為です
 (ちなみに、まぐろのたまごは一回あたり数十万から一千万個のたまごを生むようです。マグロはよく漁港でセリにかけられている値をみると200万円から300万円ぐらいです。でも、成魚になれるかは、極めて可能性は低いと言われています。)。

 
 普通は、得をしすぎるうまい話はないと考え、注意をしてください。


 確認のポイントは、3点です。

 
  ・仲介会社が、金商品取引業の登録があること(ない会社が仲介取引をするのは違法です。)

  ・十分な検討時間や十分な手続説明をいただけること(詐欺的なケースは数日内で締切等急がせたり、難しい書類に印鑑だけ要求されることが多いです。逆にいえば、よく見ればあらがあるということでもあります。)

  ・会社の財務内容を見せてくれた勧誘であること(財務内容を確認しなければ意味がなく、投資家にとって一番重要な情報です。)


  
  登録・免許を受けている業者は、金融庁のHPで確認できます(http://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html)。


  数こそ減っていますが、注意してください。

  こうした被害は、同じような人が手を替え、品を替え、作出しています。


  古くは先物取引にはじまり、海外先物取引、外国為替証拠金取引、ファンド取引、未公開株式、ロコロンドン取引等へとどんどん形をかえて、金融商品に関する被害が生じています。
 
  もちろん、中には、取引としては適法なものもありますが、こうした金融商品には、適法なものであっても、顧客の取引能力に応じた説明義務が課されており、提供態様として違法というケースもあります。
 

  何も知らない80歳の方にこうした金融商品を売りつけるのは、業者側に問題があるというわけです。

  そうでなくても、これらの取引のうち、適法な相場がある取引は、プロでもあたりはずれが出てくるものなので、ましてや素人がこれらの取引で利益を得ようとするのは、リスクが高すぎます。



  資産形成は、地道にコツコツです。



  なお、最近の同種被害は、「鉱山の採掘」や「鉱物」に関する権利の勧誘の被害が多いようです(消費者庁より消費者安全法に基づく情報公表が最近なされているものです。)。ご注意を。


   消費者庁(http://www.caa.go.jp/adjustments/index_3.html)






 

プログラム登録

2011-12-29 | (法律)

著作権の法的保護の強化を目的として、プログラム登録制度があります。

 平成23年6月1日より、光ディスク(CD-R、DVD-R)での申請ができることとなりました。


 プログラムは、一般に、その著作権の範囲を明確化することが大変です。また訴訟となる場合など権利者であることの立証も容易でないこともあります。


 このプログラム登録制度は、侵害などの際に、訴訟上の立証の負担を軽減化させるというメリットがあります。

 

 これまでは、マイクロフィッシュに焼き付けるような形での申請でした。あまりなじみはないと思います。


 今年の行われた改正で、CD-R、DVD-Rによる申請が認められるようになったことで、多少なりとも、利用が高くなったとはいえますが、まだまだメジャーにはなっていないです。


 でも、利用者が多くなってからは、一気に利用が高まる可能性もありますので、プログラムを扱っている方は一応チェックしておいても損はないです。


 取引する際にもやはり信用性がでてきますので、副次的な効果は十分にあると言えます。



 なお、本来の制度は、著作権法上にも条文として取り入れられたものであり、財団法人ソフトウェア情報センターだけが申請受付をしています。


 ほかの民間団体のまぎらわしいものと間違えないように注意しましょう。


知的資産経営って

2011-12-29 | (法律)


皆様、知的資産経営って聞いたことがありますか?

 もとは、平成16年ごろから経済産業省が中心となってはじめられたものですが、企業内の技術、ノウハウ、人材などの認識、評価を行って、それを活かしていく経営方式のことで、実際には、知的資産経営報告書の作成という形で推進されている施策です。


 これをもとに、融資につながるようなこともあるようで、最近着目されているものです。

 
 もちろん自社内で作るという発想もありですが、今日ご紹介したのは、むしろその前提として、他社の知的資産経営報告書を見てみましょうというところに主眼があります。
 
 
 知的資産経営報告書は、実際、いろいろな企業が作成していますが、この制度の良い点は、政府が開示指針まで設けて、企業の知的資産経営報告書を開示させていることです。


 この知的資産経営報告書をみれば、各企業がどのようなスタンスをとっているか、どんなことに取り組んでいるかなどが端的に示されており、いわば経営のお手本という要素もあります。


 ただ販促的に作成している企業もあるので、あまり参考にならないものもあるとは思いますが、なるほどということが書かれていることもしばしばみられます。



 今は、行政書士の方が中心となって作成を勧めているような活動も見受けられますが、東京都で認証制度も導入予定ということが聞かれる来年は、もっと認知され、広まるのではないでしょうか。


 このような分野は中小企業診断士の方の分野のような印象もありますが、ネット上は、行政書士の方のウェブサイトで紹介されていることが多いような気がします。

 
 何となく今は、関西での話が主流みたいですが、来年は、東京にもという話なので、経営者の方は、ちょこっと覗いておくとよいような気がします。


 (たとえば「知的資産経営報告書 開示」 などで検索すれば、具体的なものがみれます。)




ペットの社会的地位の向上

2011-12-03 | (法律)

 法律的には、昔から、ペットは物だと考えられ、ペットの財産的価値を賠償すれば、慰謝料などは発生しないと考えられていた。


 しかし、ペットにも、美容院、病院、ホテル、温泉、レストラン、ペット用デザート専門店など、人間と同じような生き方をさせる環境が整いだした。子供のいない家庭に、犬などが飼われることも珍しくはない。

 
 2004年ごろ、ペットの死亡に慰謝料を認める判例がでた。すでにペットも家族の一員として、賠償を考える時代になりつつある。

 
  流れはさらに進んでいる。


  最近おどろいたのは、ペット用の介護施設だ。必要あるのかとも思うが、おじいちゃんおばあちゃんとなったペットの世話はかなり大変らしい。人間と同じだ。


  そして、今は、ペットの保険もある。

 
  また、獣医や獣医学のレベルもあがった。ペットは、人間と同じ病気になるらしい。がんの手術もするそうだ。昔は、あきらめられていたような記憶がある。がんの手術代は、何十万から百万ぐらいになることもあるという。保険ができるのもわかる。

 
  こんな状況を考えると、ペットの死亡に伴う損害は、慰謝料、葬儀費用、お墓代など、そんほか後遺障害なども可能性としてはあるだろう。


  おそらくは、今後数年で、ペットの損害賠償の金額の相場はあがってしまうのではないかと思う。

  


 


英文契約書

2011-12-02 | (法律)
 
 最近、商工会議所でも、海外との取引など推奨するセミナーなどもあり、中小企業においても、海外進出を考える機会が増えていると思います。

 そうでなくても、コストの関係で、海外との取引を開始するところも昔と比べあるようですね。


 そういうときに注意しなければならないのは、契約書です。

 
 日本国内の話でも、契約書がなくてもめるケースは多々あるのに、ましてや国際取引においては、契約書なしの取引は想定できません。

 国際取引は、通常は英語で交わされ、分量がかなりあります。契約書の内容もきわめて重要です。海外ではうまくいかなくなったことを想定して交わされますので、内容を確認せずに、署名をしてしまうと後で後悔をすることになります。


 かならず内容を確認しましょう。


 あまり英語に自信がない人は、やはり翻訳をしたものを確認し、外国法を扱っている弁護士などにも相談をするのが良いと思います。


 どうしても最低限の確認をしたい人は、
 
  取引条件(代金支払時期、輸送費・保険料の扱い)、準拠法、紛争解決方法(裁判管轄や手続き(仲裁等))については、特に確認が必要です。

具体的には

 後払いか先払いか、輸送費・保険料はどちらが負担するのか、紛争時に日本法の適用があるのか、あるいは、相手方の本国法なのか、または第三地の国の法律なのか、紛争の解決の手続は、公平な場所での手続きなのかなどなど

を確認しておく必要があります。


他にも注意するべき条項はあります。納得がいかないときは、弁護士を入れて、相談をしておくのが望ましいです。


準拠法や紛争解決は、日本法や日本での仲裁などを予定していると、日本の弁護士を利用することも可能です。コスト面での節約は図れませう。

ただ、それでも、相手方が外国にいる場合、強制執行する際には、手間や費用がかかりますが・・・

これは結局トラブルになったら、相応の支出は覚悟するということでもあります。


その意味では、海外取引は、いかに優良なところとの取引を選択するかが重要ですね。

労働審判手続って、かなり厳しいです。

2011-11-11 | (法律)

 労働者のとりうる手段は多様です。賃金不払い、解雇、残業代の未払いなどにおいて、仮処分申立、調停申立、訴訟提起、労働審判申立、労働基準監督署への申立、労働局への申立、労働情報センターによるあっせんなどがあります。


 労働者の中には、こうした手段を駆使する人がおり、弁護士がついている場合などには当然そうしたアドバイスがなされます。


 この中でも、働審判手続が平成18年に導入されて以来、かなり利用が増えているようです。


 この手続は、手続の流れとしては、大幅に労働者側寄りと考えて良いぐらい、経営者には厳しい手続きです。


 とはいえ、期間的には、早ければ申立てから40日以内の第1回期日での解決がなされるなど、遅くても審判で終わるならば3か月程度で解決するという意味では、スピード解決のメリットはあります。


 起こされたくはないですが、起こされるとすれば、この手続きが良いという話でもあると思います。
 
  
 何かあってからでは遅し、本来であればこうした手続を起こされないように、就業規則の整備や未払いをなくす環境づくり、人件費を合理的に設定し運用するノウハウを構築できるように、日ごろから整えておきましょう。

 

 なお、証拠資料がないと労働審判ではお話にならず、そのような場合はかなりの可能性で一方的な結論になります。

 
 しかもスケジュールはタイトです。相手の申立書に対して、認否反論をする答弁書の作成時間はあまりないです。

 その割には、第1回期日がきわめて重要で、審判官は、第1回で直接当事者から話を聞きだし、その時に全体の心証をつくってしまいます。

 
 経営者としては、労働審判にならないように、常により良い環境を目指しておくことが望ましいし、起こされたとしても、第1回目で資料がきちんとだせるように、普段から記録、保管、管理をしたいものですね。