平成29年3月27日に「所得税法等の一部を改正する等の法律」が成立しました(平成29年4月1日以降の相続または贈与に適用されます。)。
相続税・贈与税に関する改正の中で、国外財産に対する相続税・贈与税の納税義務の範囲の見直しがなされてました。
日本国内にある財産を相続又は贈与により取得した場合には、その財産を取得した者の日本への居住・非居住を問わず、またその者が日本人か外国人かの別なく、原則として相続税又は贈与税が課税されます。
他方、日本国外にある財産については、一定の要件を満たす場合には相続税・贈与税の課税対象とならないことがあります。
本改正で、国外財産が相続税・贈与税の課税対象とならない場合の要件の見直しがなされました。
①国内に住所を有しない者であって日本国籍を有する相続人等に係る相続税等の納税義務(贈与税も含む。)について、国外財産を課税対象外とする要件を、被相続人等及び相続人等が相続開始前10年以内のいずれの時においても国内に住所を有していたことがないこととする。
②被相続人等および相続人等が出入国管理及び難民認定法別表第一の在留資格をもって一時的滞在をしている場合等の相続又は遺贈に係る相続税については、国内財産のみを課税対象とすることとする。
③国内に住所を有しない者であって日本国籍を有しない相続人等が国内に住所を有しない者であって相続開始前10年以内に国内に住所を有していた被相続人等(日本国籍を有しない者であって一時的滞在をしていたものを除く)から相続又は遺贈により取得した国外財産を、相続税の課税対象に加える。