誤解を受けやすいややこしい概念を整理しましょう。
所得控除とは、一定の条件を満たした場合に(基礎控除を除きます。)、所得額から一定の金額を控除、差引くことができる制度のことをいいます。
所得控除額が大きいほど、課税所得(課税対象額)が少なくなります。
その結果、課税される税額も少なくなるという制度です。税額そのものが減額となるのではなく、税額を計算するための元の課税所得が少なくなるという制度です。
具体例としては、社会保険料控除、生命保険料控除、損害保険料控除などがあります。
これと似ているものとして、税額控除税があります。
税額控除とは、一定の条件を満たす場合に、税額(課税対象額×税率によって算出された税額)から、直接に、一定の金額を控除、差引くことができる制度のことをいいます。
税金の額から直接に差し引かれる点が特徴です。
典型例としては、住宅ローン控除がこれにあたります。
なお、所得税等である基礎控除とは、納税者(申告者)のすべてに一律に、一定の金額「所得税(38万円)・住民税(33万円)」を所得金額から控除、差し引くことができるという制度であり、所得控除ではありますが、一応上記の定義から除いています。