よみがえるケインズ

ケインズの一般理論を基に日本の現代資本主義を読み解いています。
カテゴリーが多岐に渡りすぎて整理を検討中。

4-01:国民経済計算と法人企業統計による企業分析

2021年09月23日 | 日本経済分析
日本経済分析 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る 前回、以下のように書いた。次回から企業の分析に移るが、分析はあっさりしたものになる。企業がマクロ経済を動かしているのではなくて、マクロ経済の諸条件が企業を動かしているからである。企業に投資をためらわせるマクロ経済の諸条件は何か?という問題の立て方となる。 企業を貸借対照表と損益計算書の二つから分析しようといういうのが今回の趣旨である。貸借対照表は国民 . . . 本文を読む

5-01:政府とは何か?その役割は何か?

2021年09月22日 | 日本経済分析
日本経済分析 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る これまで家計部門、企業部門を分析してきた。家計部門について 家計部門は、ケインズの悪魔の恒等式に従って、マクロ経済での貯蓄の分だけ貧しくなりつつある。所得が減り続けているため、家計消費はこれ以上伸びる余地は無くなり、かつ全体としてみれば容易に減少するという特徴を備えるようになっている。これを「家計消費の上方硬直性」と名付けた。26:第7章 貯蓄と投資 . . . 本文を読む

5-02:政府予算に関する虚実

2021年09月21日 | 日本経済分析
日本経済分析 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る2022年度予算について 以下のリンク先「令和4年度予算フレーム」を検討していく。政府は元号使用に固執しているが「昭和30年生まれは令和4年に何歳になるか」即答できるなら固執すればいい。西暦に直して昭和30年=1955年、令和4年=2022年だから67歳と考えるなら最初から西暦表記にしておくべきである。利用者に上記の計算を強いるのは傲慢というしかない。 . . . 本文を読む

5-03:家計の延長でしか考えられない人々―2022年度政府予算

2021年09月20日 | 日本経済分析
日本経済分析 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る ”『このままでは国家財政は破綻する』矢野康治財務事務次官が“バラマキ政策”を徹底批判 ” については “お金の沼、金融資産の海に溺れる日本 1 日銀資金循環統計:「再分配」と「財源」の問題(*)”でも触れたが、予算案で公的債務はどうなっているのだろうか?* https://blo . . . 本文を読む

5-04:財政再建は進めるべきなのか?政府債務をどうとらえるのか?

2021年09月19日 | 日本経済分析
日本経済分析 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る 国民経済計算には制度部門別資本勘定・金融勘定というのがある。家計・企業・政府(一般政府)という各部門の固定資本と金融資産の増減を年度ごとに集計している。SNAでは、金融資産―金融負債=資金過不足である。各グラフ見出しのストック・フローは厳密な意味ではない。 まずは家計である。なお純固定資本形成というのは 総固定資本形成マイナス固定資本減耗として算出し . . . 本文を読む

5-05:一般政府は何をしているのか?217兆3600億円の分析

2021年09月18日 | 日本経済分析
日本経済分析 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る これまで、一般政府が一国経済の中で果たしている役割、果たすべき役割について資金収支の面から分析してきた。結論は企業・家計の資金余剰に対して政府の資金吸収は足りておらず、長期停滞の大きな原因となっているということだった。 今回は、資金の出入りだけではなく、一般政府の収入(受取)、支出(支払)の中身の面から分析してみよう。国民経済計算の「一般政府の部門別 . . . 本文を読む

5-06:一般政府:日独比較分析―”大きな政府”こそ成長の原動力だった

2021年09月17日 | 日本経済分析
日本経済分析 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る 現代ドイツのことは、あまり人々の話題にはのぼらない。せいぜいのイメージはメルケル前首相かベンツ、BMWくらいだ、少なくとも私は。少し詳しい人は「経済で独り勝ちのドイツ」とか「財政再建を果たした国」とかのイメージがあるのかもしれない。「独り勝ちのドイツ」と日本はどこが違うか:RIETI(独立行政法人経済産業研究所)https://www.rieti.g . . . 本文を読む

5-07:G7諸国の一般政府 新自由主義とは何か?

2021年09月16日 | 日本経済分析
日本経済分析 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る G7諸国の名目GDP および名目GDPに占める一般政府の財政支出の割合をグラフ化してみた。 まずは既出の名目GDP。1997年の自国通貨建の名目GDPを100として比較した。 グラフのようにG7諸国は三つのグループに分かれる。アメリカ・カナダ・イギリスのドル・ポンド圏(アングロサクソン資本主義と呼ばれたりもする)フランス・ドイツ・イタリアの . . . 本文を読む

5-08:G7諸国のプライマリーバランス 今回は・・・短い!

2021年09月15日 | 日本経済分析
先進国の経済学 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る プライマリーバランス(基礎的財政収支)とは、税収・税外収入と、国債費(国債の元本返済や利子の支払いにあてられる費用)を除く歳出との収支のことを表し、その時点で必要とされる政策的経費を、その時点の税収等でどれだけまかなえているかを示す指標となっています。(財務省) これを2025年度に黒字にしようというのが政府の目標である。この目標達成のための緊縮財 . . . 本文を読む

5-09:”財政規律” こそ諸悪の根源 公的需要はGDPの25%を超えてはならぬ

2021年09月14日 | 日本経済分析
日本経済分析 目次へ戻る本ブログ 総目次へ戻る 政府は2025年度までにプライマリーバランス黒字化を目指すそうである。政府の財政が破綻し、子孫に大変な負担をかけるからだそうだ。ケインズを学んできた我々にとっては一から十まで間違った主張だが、それを実現できるくらいには日本の官僚は「優秀」であり「力」を持っている。国民にとっては不幸なことだが。 今回は国民経済計算に戻って、「民間需要」と「公的需要」を . . . 本文を読む