釧路市長選挙は、大方の予想どおり蝦名大也氏の圧勝に終わった。勝因は、蝦名氏が民主党北海道と新党大地の推薦を得て早々と選挙態勢を固めたのに対して、自民党釧路支部が候補者推薦で迷走し、事実上の分裂選挙を戦わざるを得なかったことにある。
さらに、市議二期六年・道議三期九年の豊富な政治経験を有し政策通として知名度の高い蝦名氏と、旧北村派をバックにし「反大地」を旗印とした上田氏とでは、有権者に与えるインパクトの差が大きかった。
私は、どちらかと言えば旧北村派ではあるが、若くて有能な蝦名氏の当選を祝し、今後の市政運営に関して三つのポイントを指摘しておきたい。
第一は、写真<上>の背後に並ぶ三人の大物との関係である。市民党(写真<左>は、10月28日付『北海道新聞』第22面〈釧路〉から転写)を標榜して当選を果たしたからには、等間隔を心がけ、市政に政治的偏向を持ち込まないこと。
第二は、待ったなしの財政再建に全力を注いでもらいたいこと。昨年度決算の釧根管内<財政健全化判断比率>(10月1日付、前掲新聞・第31面〈道東〉から転写)で、釧路市は<将来負担比率>が断トツに高い。加えて、市設魚揚場・病院・公設地方卸売市場の企業会計が抱える巨額の不良債務の解消が市の財政運営に重くのしかかっている。
第三は、旧北村派との軋轢の解消を図ってもらいたいこと。今は、釧路市も釧根管内全体も、そのようなことで啀み合いを続ける時代ではなかろう。世界的な金融危機の中で、企業倒産が相次ぐ釧根の経済的苦境をどのように乗り切るか。悠長に時の経過を待つ余裕はない。
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