タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪四管編成フルオーケストラの大音響≫

P1170200
 私のクラシック音楽との出会いは大学入学後で、卒業してしばらくは、ハイドン、モーツアルト、ベートーベンなどの交響曲のレコードを買い集めた。ステレオ録音が登場し始めた頃で、CBSコロンビア交響楽団/ブルーノ・ワルター指揮「ベートーベン交響曲全集」が最も大きな買い物だった。しかし、その後、総勢百人を超える楽員から成る大編成オーケストラが奏でる大音響ではなく、静かな、それでいてしなやかな力強さをもつ室内楽曲に興味が移った。
P1170204P1170203 3月9日付『北海道新聞』夕刊・第5面の「芸能」欄に掲載された、札幌交響楽団の東京公演(写真上段=3月1日、東京のサントリーホール)と札響メンバーによる「カメラータ札幌」の演奏会(写真中段<左>=3月2日、東京のJTアートホールアフィニス)の記事を読んで、何の脈絡もなく、T・S・エリオットの長詩『四つの四重奏』の冒頭で奏でられる飾らない簡素な音調を思い出した。札響の課題は「弦楽器と管楽器のバランス」といわれ、弦のしなやかな響きには定評がある。「カメラータ札幌」の九重奏曲演奏は聴衆を魅了したことだろう。札響弦楽部では、二月二十七日、「New Kitara ホールカルテット」の第二回コンサート(写真中段<右>は、3月8日付・同新聞・第4面から転写)も行われている。
P1170195 このブログ記事は、最後に、四月三日、地元・釧路の「釧路ギター合奏団」(久保田幸雄団長、メンバー七人)によって、釧路市民文化会館で開かれた「アンサンブルの集い ギター大好き」を紹介して終わりたい。ギターは、旋律を奏でるバイオリンと違い、複数の和音と同時に旋律を奏で、繊細ではあるが小さなオーケストラといわれるほど多彩な演奏が可能である。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「学芸文化」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事