トヨタが、十一月六日の〇九年三月期業績予想大幅下方修正を更に下方修正し、下期赤字転落・通期黒字(前期比八割減)を発表したのは十二月十三日。
しかし、この再々下方修正の僅か六日後、十二月十九日、〇九年三月期決算の連結営業利益が赤字転落の見通し(12月20日付『讀賣新聞』第1面参照)であることが明らかになった(正式発表は二十二日、<釧路トヨタ>の広告は、12月6日付『釧路新聞』第9面から転写)。
〇八年三月期に過去最高益を達成したトヨタが、一年後に深刻な業績不振で赤字に転落すると誰が予想できただろう。
世界的な景気後退で、自動車市場が縮小したため、トヨタは既に来年度のグループ世界販売計画を、「8月時点の970万台から800万台前半へ下方修正」(12月12日付『讀賣新聞』第10面〈経済〉)しているが、さらに下振れが予想されるため、毎年末に行ってきた翌年の世界生産販売計画の発表を今年は見送るという。
小は街の駄菓子屋から、大は国際的な大企業に至るまで、商売・経営とはげに恐ろしきかな。米サブプライムローン問題を発端とする金融不安・実体経済活動後退・為替レート大変動という不測の事態が、あっという間に業況を一変させるとは!
トヨタ(本社の写真は『ウィキペディア』から転載)は生産・販売を北米市場に頼りすぎた。さらに、北米市場での販売不振に円高が追い打ちをかけ、傷口が拡大した。円高は対ドルだけでなく、ユーロ・アジア通貨・新興国通貨にも及び、経営の足かせになっているので、業績低迷は長引くだろう。
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