鈴木宗男は、受託収賄・斡旋収賄・政治資金規制法違反・議院証言法違反の四つの罪に問われ、平成十六年の一審(東京地裁)で懲役2年・追徴金1100万円の実刑判決を受け、控訴。平成二十年の二審(東京高裁)は一審を支持し、今回の上告審(最高裁第1小法廷)で上告棄却(九月七日付)が決定した。
十日に釧路市で行われた支援者の会合で、鈴木宗男(写真は、9月11日付『讀賣新聞』第31面から転写)は、清廉潔白を主張し、上告棄却について検察・裁判批判を声高に展開したというが、釧路でいくら吠えても負け犬の遠吠えに過ぎない。 八年にも及ぶ裁判の結果については、立場の異なる多くの人たちが、それぞれ異なった感慨を抱くだろうが、民主党北海道の佐野法充幹事長が記者団に語ったように、「大変残念だが、司法の最終判断を厳粛に受け止めたい」(9月9日付・同新聞・第26面)というのが民主党の大方の見解である。しかし、民主党には、疑惑まみれの人物を衆院外務委員長に据えた責任を厳しく問いたい。こうなることは分かっていたのだ。
昨年八月の衆院選を鈴木宗男(新党大地代表)と選挙協力を結んで闘い、自民党の伊東良孝候補に敗れた仲野博子(比例で復活して宗男と万歳=写真中段<左>は、09年9月2日付『北海道新聞』第27面から転写)にとって状況はかなり厳しいだろう。中川一郎の自殺以来、釧路・根室管内で物議を醸し続けてきた邪魔者が消えることにより、伊東良孝議員(小選挙区当確=写真中段<右>は、9月1日付・同新聞・第33面から転写)にとって、スムーズに活動ができる政治的環境が生じると思われる。欣快にたえない。
かつて秘書だった蝦名釧路市長の場合は、仲野博子とは状況が異なるが、市長として微妙で厳しい市政運営が待ち受けている。市長は可能な限り市民党であってほしい。親分がいなくとも困難に立ち向かうことができるかどうか、手腕が試されることを覚悟すべきだ。親分の最高裁への異議申し立ては十五日付で棄却された。政治的復活はない。
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